2025年1月23日、ソフトバンクの子会社であるGen-AXは、生成AIを活用したSaaSサービス「X-Boost(クロスブースト)」提供に係る記者発表会を開催した。
同サービスは、カスタマーサポートにおける問い合わせ業務担当者に向けた、照会応答業務を支援するもの。永野氏は、同サービスの特徴として以下3つを挙げた。
- 直感的なUI/UX:オペレーター画面を誰でも簡単に操作が可能な構成に。社内に蓄積したナレッジを活用した回答分析を行える
- LLMOpsによるAIモデルの最適化:非エンジニアでも運用できる仕組み。低品質なデータを除去・整理し、AIモデル学習に適した形に処理するとともに、個社データを活用した専用のAIモデルを構築できる。また、ノーコードかつ少ないステップで運用が可能
- 堅牢なセキュリティ:国内のサーバーでデータを管理。なお、それらのデータは汎用AIモデルの活用に利用されない
同サービスの販売戦略としては、金融/小売/製造業の7業界に特化し提案を行うと藤長氏。約10兆円におよぶコンタクトセンター市場のうち、内製のコールセンターや簡易窓口などを設けている、9.2兆円分の潜在市場にアプローチしていくとした。
現時点で、既に保険会社や小売会社などへの先行導入が始まっており、社内ヘルプデスクの運用効率化やWeb問い合わせ対応業務の迅速化などに活用されているとのことだ。
今後は、AIによる自動音声応対サービスを2025年度中にリリース予定だという。砂金氏は同サービスを「今回発表したサービスと地続きのものだ」と強調。社内でAIを育てながら、そのデータを活用していくという考えに則り、X-Boostであればテキスト応対の自動化、今後の新サービスであれば音声応対の自動化といった形で、AI活用を推進していくと説明した。
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