IBMとSAPは、「RISE with SAP on IBM Power Virtual Server」を2025年第2四半期に提供開始すると発表した。
同サービスは、IBM Powerを利用する顧客が統合基幹業務システム(ERP)を変革する際の、迅速かつ容易な方法となるように設計されているという。IBMとSAPは、企業がオンプレミスのERP環境をよりシームレスにクラウドへ移行またはモダナイズし、AIを活用したビジネスプロセス変革を推進できるよう支援することを目指すと述べている。
RISE with SAP on IBM Power Virtual Serverは、SAP S/4HANA CloudをオンプレミスのIBM Power Systemsからクラウドへ移行する際にともなうリスクを軽減し、移行期間を90日以内に短縮するという。
業界をリードするSAP認定インフラストラクチャーによるクラウド移行の実現
オンプレミスのERPに使用されているミッションクリティカルなIBM Powerサーバープラットフォームのクラウド版であるIBM Power Virtual Serverを使用することで、企業はオンプレミスのSAP ERPシステムをクラウド上に移行し、ビジネスプロセスをモダナイズし、より俊敏な対応が可能になるとしている。また、レジリエンシーとセキュリティに優れたIBM Cloudプラットフォームによるサポートも提供されるとのことだ。
IBMはRISE with SAPを活用し、グローバル規模でのSAP S/4HANA Cloudへのモダナイゼーションを完了
SAPユーザー企業による複雑なSAP S/4HANA Cloudのモダナイゼーションプロジェクトの1つとして、IBMは、自社の見積もりから入金までのプロセス、および記録からレポートまでのプロセスをRISE with SAP on IBM Power Virtual Serverに移行。IBMのプロジェクトは、18ヵ月間で175ヵ国、15万人以上のユーザーに関わるものだったという。プロジェクト期間中に、全体のサーバーおよびデータ規模を合理化し、プロセスの自動化を進めた結果、インフラストラクチャーのコストおよび関連業務を30%削減できたとしている。
IBM Consultingは、この変革をエンドツーエンドで主導し、これらの複雑なソリューションの安全な移行・実行するために必要な技術サービス、実装、およびアプリケーション管理サービスの専門知識を提供したとのことだ。
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