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ウイングアーク1st、4月施行の物流関連2法対応サービス実証でAI活用 残業削減に成果出る

 ウイングアーク1stは、2024年7月から2025年1月にかけて、経済産業省の令和5年補正「荷主企業における物流効率化に向けた先進的な実証事業」を、総合物流事業を展開するハルテGCと共同で実施した成果を公開した。

 同成果は、新物流二法のうち貨物自動車運送事業法への早期対応を促進するにあたり、大きく貢献するという。新物流二法対応とは、トラック運転手の不足による「2024年問題」の課題を法制化し、実効性を高めるために、物流関連の2法を改正して物流の構造改善を図ること。製造メーカー・卸業者等の荷主、元請けの物流事業者に対し、運送契約の書面化、実運送体制管理簿の作成​、物流効率化などの義務あるいは努力義務が課されるとしている。

ハルテGCとの実証事業概要および成果

 新物流二法で義務化される運送契約の書面化(電子化)や実運送体制管理簿の作成について、物流DXプラットフォーム「IKZO Online」、運送会社向け経営分析システム「IKZO Analytics」、高精度な文字認識で帳票をデータ化する「invoiceAgent AI OCR」、AIプラットフォーム「dejiren」を活用した実証を実施。同取り組みは、DX経営による中小運輸事業者支援と積極的な補助金活用のサポートを実施するため、運輸デジタルビジネス協議会とサスティナビリティ・DX推進協議会と連携しているという。

 実証では受信したFAXを自動的にPDF化し、各種システムと連携させることで、最終的にCSVデータとしてIKZO Online、IKZO Analyticsに自動格納させることに成功し、利用する物流事業者側の業務効率化、業務情報の統合と分析高度化による業務改善の観点で、有意な成果が得られたとしている。

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①利用する物流事業者側の業務効率化

  • IKZO OnlineとIKZO Analyticsにより、荷待ち・荷役時間の削減、積載効率の向上、輸送ルートの見直しなどの効率化をはかり、運送契約の書面化(電子化)および実運送事業者の名称や実際の運賃契約に基づいた実運送体制管理簿の作成など、物流の2024年問題に向けた法改正への対応に取り組む
  • IKZOドライバーアプリの活用で、荷主・運送会社・ドライバーがオンラインでつながり、一連の業務効率化を見込む
成果:業務情報の統合と分析高度化による業務改善
  • 実証実施前:
    • 電話・FAX・メールとコミュニケーション手段ごとに業務情報が分散されており、情報を統合的に扱う手間が発生し、ミスの原因にもなっている
    • 同じ理由により、データの分析についてもデータを統合したり加工したりする手間が発生するため、効率化や業務改善の妨げになっている
  • 実証による成果:
    • 一部の運行で当該運行に関わるすべての情報を統合的に扱うことに成功。荷主(元請け)・協力会社間との運送契約(運行指示書・輸送依頼書)などのコミュニケーションはミスなくスムーズに実施できることが確認できたという
    • IKZO Analyticsを活用することで、データを多角的に即時分析することが可能になり、PDCAサイクルがスムーズに回転することを実感できたとしている

②物流施設側における業務効率化

 invoiceAgent AI OCRを活用しFAXで届く受発注データをAI OCRで読み取り、生成AI「ChatGPT」と連携したdejirenが受発注データの正確性を確認、AI OCRデータの識字精度を向上することでIKZO Onlineなどとシステム連携し物流業務の効率化を図るという。

成果:総労働時間の削減
  • 実証実施前:
    • 全体労働時間2,238時間(6名、2ヵ月)に対し、475時間の残業が発生
    • 特に業務負荷が大きい管理職2名(配車およびそれらに関するデータ管理)の長時間労働が常態化
  • 実証による成果:
    • 全体労働時間を2,187時間に削減(総労働時間削減率2.3%)
    • 特に、管理職2名については事業実施前対比で労働時間が7%、残業時間が11.4%削減し、他の生産性がある業務に充てられたとしている
      • 実証期間:2024年7月~2025年1月の7ヵ月間

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