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日本法人の体制変更で躍進狙うCohesity、データ/AIの保護・復旧から活用まで可能な優位性を武器に

 Cohesity日本法人の代表に、直近ではピュア・ストレージ・ジャパン(現 Everpure)の社長を務めていた田中良幸氏が就任した。また、日本法人名もCohesity Japanから片仮名の「コヒシティジャパン」へと変更した。

コヒシティジャパン合同会社 代表執行役員社長 田中良幸氏

コヒシティジャパン合同会社 代表執行役員社長

田中良幸氏

 この体制変更にともない、同社は日本市場へのコミットメントをさらに強化する構えだ。新規ユーザー獲得に向けた「お試しセット」や、Microsoft 365向けのデータ保護とサイバーレジリエンスを特別価格で提供するという。また、他社製品からのリプレース促進のために、Cohesity Data Cloudの3年間利用という条件付きで、現在利用中の競合ソフトウェアの費用を1年分負担するなどといった施策も紹介された。

図1
図1

 同社は、かつての「バックアップ」というカテゴリからデータライフサイクル全体の保護と復旧力を提供する「データマネジメントベンダー」へのシフトを以前から掲げているほか、ここ2年ほどは「サイバーレジリエンスから『エンタープライズAIレジリエンス』へ」の進化を打ち出している。AIインフラストラクチャの防御に加え、AIエージェントにより顕在化するリスクへの対策を両輪でカバーすることで、安全なデータ/AI活用環境を実現するという意図だ。その中で、AIイニシアチブを強化・保護するために従来の”防御”から“活用”の領域へとCohesity Data Cloudのプラットフォームを拡大している。

図2
図2

 そのために、他社とのパートナーシップ強化も拡大中だ。直近ではServiceNowやDatadogとの連携によるAIレジリエンスソリューションの強化促進が図られたほか、ID保護ベンダーであるSemperisとの技術統合によるID(アイデンティティ)レジリエンスの強化、さらにはNVIDIAからの投資といった事例が挙げられる。

 具体的なエンタープライズAIレジリエンス戦略については、大きく「防御」と「活用」の領域に分け、以下のようなソリューションを提供していくとのことだ。

防御:AIインフラ保護とデータ・AIガバナンス
図3
図3

 従来からの延長線上にあるAIインフラストラクチャの保護・復旧の領域には、SemperisのIDレジリエンスが追加された。そして、AIエージェントの不審なアクションを封じ込める機能を拡張。前述したServiceNowやDatadogとの連携も、この強化に寄与するものだ。

  • ServiceNow:ワークフローシステム内でAIエージェントの管理から復旧までが可能に。ServiceNow上で、API連携を通じてCohesityのプラットフォームに命令できる
  • Datadog:Datadog上でAIエージェントの異常を発見し、それに対応するアプリケーションやデータをCohesity側で復旧できる

 さらに、データポスチャー管理ベンダーであるCyeraとの統合により、環境全体の機密データやAIシステムを可視化・統制・復旧するDSPM(Data Security Posture Management)も製品ラインアップに加わった。復旧地点の迅速な特定や、リカバリ設計のためのデータ把握に必要だ。フィールドマーケティング戦略を担当する髙井隆太氏は、「創業時からCohesity のデータプラットフォームが“拡張”とスケール、さらには安全性と活用性を前提としてデザインされていたからこそ、こうした連携の数々が実現できている」と語る。

コヒシティジャパン合同会社 フィールドマーケティング戦略担当 執行役員 髙井隆太氏

コヒシティジャパン合同会社 フィールドマーケティング戦略担当 執行役員

髙井隆太氏

活用:AI用に“信頼できる”エンタープライズデータを有効化する
図4
図4

 NVIDIAから出資を受けて開発している領域だ。2024年のCohesity Gaia(以下、Gaia)提供開始から本格化した。Gaiaでは、Cohesity上に蓄積されたバックアップデータやNASデータに対してRAGを活用し、そこからLLMに連携してチャットアシスタント機能を提供している。

 2026年に入ってからは、GaiaのインターフェースからMicrosoft 365 CopilotやGoogle Geminiなどといったエージェンティック・プラットフォームにMCPで接続できるようになった。各プラットフォーム上でのデータを、Gaiaのセマンティックレイヤーを通じて使えるようになった形だ。

 グローバルでは、「従来から利用しているアナリティクス基盤のデータも使いたい」というニーズを受け、Gaia Catalogも提供している。DatabricksやMicrosoft Fabricなどの分析プラットフォームから、安全にデータを取り込めるとのことだ。

日本でのニーズ動向と対応ソリューション

図5
図5

 直近、特に新規顧客からの問い合わせが増えているのは、アクティブディレクトリ(AD)の復旧に対するソリューションだという。このニーズに対しては、Semperisとの統合で獲得したIDレジリエンスを提供するほか(図5内①)、Cohesity Data Cloudとは別に外部のイミュータブルストレージなどにデータを保管できるサイバー保管庫(図5内②)といった機能を推しているとのことだ。

 また、バックアップデータの安全性を把握したいというニーズに対しては、Google Threat IntelligenceをCohesityのライセンスにインクルードすることで可能となった脅威スキャニング特定の機能を提供し、最新の情報に基づいて安全に復旧できる環境を実現しているとした(図5内③)。

 復旧の実践フェーズに関する分野では、RecoveryAgent(リカバリーエージェント)が紹介された(図5内④)。有事の際、重要なシステムをどのような順序で復旧するかワークフローを平時から定義しておき、いざ復旧が必要となった際にはワンクリックでそれをすべて実行できるというものである。日々の復旧訓練や、マニュアルを見ながらの手探りな復旧といった問題を解消できるという。

 そして最後が、先述したDSPMだ(図5内⑤)。これらによりCohesityはデータの保護から復旧、さらには最適化までをワンプラットフォームで提供している。ここにGaiaを窓口とする“活用”のソリューションを加えて(図6)、データのバックアップからマネジメントまでを可能とするプラットフォームを武器に、2026年度もエンタープライズAIレジリエンス戦略を推進していくと髙井氏は述べた。

図6
図6

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この記事の著者

名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)

サイバーセキュリティとAI(人工知能)関連を中心に、国内外の最新技術やルールメイキング動向を取材しているほか、DX推進や、企業財務・IRなどのコーポレート領域でも情報を発信。武蔵大学 経済学部 経済学科 卒業。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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