8月3日、アクセンチュア株式会社は、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスを用いて企業の経営革新の実現を支援する「モビリティ・サービス」の本格的な展開を開始すると発表した。
今後、同社が本格的に展開していく「モビリティ・サービス」では、経営コンサルティング、テクノロジーサービス、アウトソーシングサービスをグローバルに提供する自社の強みを活かし、企業のモビリティ戦略策定から、スマートデバイス向けアプリケーションやプラットフォームの設計・構築、サービス運用にいたるまで、一貫した包括的なサービスを提供していくという。
同社では、「モビリティ・サービス」は、主に以下の3つの領域で展開していくとしている。
(1)TaaS(Testing as a Service)
スマートデバイス向けアプリ開発のテスト工数・コスト削減を目的として、アクセンチュアが開発した国内唯一の実機・実網環境と、アプリの自動化テスト環境を備えたリモートテストセンターを活用したサービスを提供。また、テスト業務や開発の受託も行い、アプリ開発の円滑化や品質向上を支援。
(2)エンタープライズ・モビリティ
スマートデバイスを用いて、企業の競争力を最大化させるためのソリューションを提供。現場レベルにおける粒度の細かい情報をリアルタイムに得ることにより、コミュニケーションや業務の効率化だけではなく、経営判断の迅速化や調達・生産の最適化など、企業のバリューチェーン全体にインパクトを与える企業のプロセス改革を支援。
(3)M2M(マシン・ツー・マシン)領域
スマートデバイスをはじめとして、さまざまな機器から発信されるセンサーデータや位置データなどを分析し、経営に資する「情報」として提供。例えば、従来までは大きく人の感覚に依存していたマーケティングやサプライチェーン・マネジメントなどの分野において、より精度が高くかつ鮮度のよい情報による経営の実現を支援。
同社のモビリティ サービス グループ統括に新たに就任した、エグゼクティブ・パートナーの清水新氏は、「エンタープライズ・モビリティ」の発展は、社内メールやスケジューラーとの連携を目的とした(1)「コミュニケーションツール」の活用から、営業生産性の向上(SFA連携)、カタログの電子化などの(2)「部署内での業務最適化」、新たなグローバル経営管理モデルの確立、市場の見える化とコスト構造の見える化を推進する(3)「経営管理の高度化」の3のステージで進化するという。
「これまでのIT導入の失敗を繰り返さないためには、モビリティを活用することで、社内・社外とのプロセスを抜本的に見直すことが重要」(清水氏)。
また清水氏は、「日本の経営モデルは、グローバルの先進企業に比べ20年遅れている。モビリティの導入は、最前線、最細粒度の情報を集めて経営管理モデルを組み替える、絶好の機会。我々は、日本企業の経営を変革するために、最適なモビリティソリューションを提供し、これまでとは違う経営に対するイノベーションが起きるよう、企業の成長を支援していく」と述べた。