NTT Comは、実証実験などを通じて進めてきたこれまでのIoTへの取組みを活かし、顧客企業がグローバル・セキュアなIoT環境を容易に活用できるIoTソリューションを強化するため、IoT推進室を設置したという。
IoT推進室では、IoTソリューションに向けたサービスの開発とともに、アプリケーションプラットフォーム事業者やデバイス事業者などのパートナー企業との連携も進めていくとしている。
NTT Comでは、IoTソリューションに向けて、次のようなサービスを提供していくという。
(1) グローバルに展開するネットワーク・クラウド・データセンターに加え、IoTデバイスから収集したデータの蓄積・可視化・分析等を行うアプリケーションプラットフォームなどを、複数のパートナーとの連携により、ワンストップで提供。
(2) IoTソリューションを安全に利用できるようにするための、クラウドやデータセンターに直結したセキュアなネットワークをグローバルに提供。
(3) 世界130拠点以上に展開するデータセンター(クラウド拠点含む)から、データ格納場所を選択可能であり、EUデータ保護指令などの各国規制に対応可能。
(4) IoTソリューションにおけるデータ活用を容易にする、遠隔データセンター間での大容量通信サービスを提供予定。
また、NTT Comでは、IoTに関連する主な取組みとして次の例をあげている。
(1) 建設作業員の着用するウェアラブルセンサ「hitoe」から取得する心拍数などの生体情報をモニター/解析し、建設現場の安全性確保をめざすシステムの実証実験を、2015年4月から大林組と実施。
(2) 伊藤忠商事株式会社・NTTファシリティーズと連携し、インドネシアの広大な工業団地にモバイルネットワークおよび電力線通信技術で接続されたLED街路灯を設置し、時間帯により細かく光量を調整する調光制御をセンター側で行うことで消費電力量削減を行う商用プロジェクトを推進。
(3) 電力の利用状況から、1人暮らしの高齢者など活動状況を判断し、離れて暮らす家族の生活を見守ることができるサービス「おげんきりずむ(仮称)」のフィールドトライアルを、2015年8月より金沢西病院と共同で開始。
(4) 工場・ビルなどの生産性向上、保全業務効率化をセキュアに実現できる環境「Industry4.1J」をめざし、現場とクラウド間の通信頻度・速度・量が現在設置されているネットワーク機器で実際に対応できるのかなど、生産現場の効率化に必要な各種技術要件を確認する実証実験を、2015年3月よりVirtual Engineering Communityと実施。
(5) IoTの発展的概念であるWebとモノの連携(WoT:Web of Things)を技術開発の段階から積極的に推進。サンプルコード(ロボット操作など)をオープンソースとして公開するとともに、W3Cでの標準化活動を実施。