この製品は、単一のビューで、本番環境のアプリケーションに加え、ユーザーの行動からサーバーの処理時間までの一連のパフォーマンスをリアルタイムに可視化し、性能低下の予兆検知や障害におけるコードレベルでの原因特定を早期に実現する。
また、障害のビジネスへの影響もレポートすることで、システムの開発や運用部門のコラボレーション(DevOps)にビジネス部門を加えた連携(BizDevOps)を促進し、復旧時間の大幅な短縮や、ビジネスにおける意思決定を支援するという。
日立ソリューションズは、今後、クラウドとオンプレミスが混在する大規模システムや、大量のアクセスを伴う消費者向けサービスなどにこの製品を適用していくとしている。また、日立製作所の統合システム運用管理「JP1」との連携や、AWSをはじめとしたクラウドサービスの運用支援などを含め、企業のシステム運用の効率向上をトータルに支援していくという。
「AppDynamics」の特徴は次のとおり。
1. 稼働環境への負担を軽く、本番環境のアプリケーション全体をリアルタイムに監視
ユーザーへ提供中のサービスに影響を与えず、本番環境のアプリケーションやモバイルユーザーのパフォーマンス、異種混合のデータベース、サーバーのOSなど、アプリケーション全体を統合して、リアルタイムに監視することができる。
2. パフォーマンスの低下を検知するしきい値を自動設定し、運用管理の負荷を軽減
定常時のパフォーマンスを計測し、稼働の基準となるしきい値を自動で設定。その後も継続的に自己学習を行い、季節や曜日ごと、ピーク時や定常時など、それぞれの状態に応じてしきい値をダイナミックに変更するため、アプリケーションが稼働するシステムの特性に最適化された監視を実現した。これにより、システム管理者は、チューニングを必要とせず、性能低下の予兆検知や障害原因の早期特定が可能となり、運用管理の負荷を大幅に軽減することができる。
3. パフォーマンスの低下がビジネスへ与える影響を可視化し、BizDevOpsを促進
サーバー間のトランザクションを、ビジネスに紐付けた「ビジネストランザクション」として自動的に可視化。たとえば、「ログイン」や「検索」「チェックアウト」などのビジネストランザクションごとに、稼働状況やボトルネックとなっている部分など表示するため、パフォーマンスの低下が、どのようにビジネスに影響を与えているのかを迅速に把握することができる。さらに、売上損失や影響を受けたユーザー数など、統合的な分析レポートも提供。