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2016年第3四半期の国内サーバー市場、前年同期比15.4%減の991億円――IDCが発表

すべての製品分野で低迷、3四半期連続で前年同期比マイナス成長

 今期は、3四半期連続で、すべての製品分野において出荷額と出荷台数が減少した。出荷額の減少は主に次の要因によってもたらされた。まず、市場全体の出荷額の7~8割程度を占めるx86サーバーが、前年同期比で2桁のマイナス成長になったことが大きな要因となっている。次に、メインフレームとその他のサーバー(Other Servers)が、それぞれ前年同期の大型案件の反動で大幅減となった。

 メインフレームが前年同期比で22.9%減、その他のサーバーが同33.7%減だった。前年同期は、メインフレームでは金融向け、その他のサーバーでは、金融、官公庁、大学向けの大型案件があり、今期はこれらの出荷額を補うほどの案件がなかった。

 x86サーバーは、出荷額が前年同期比で11.5%減の806億円、出荷台数が同8.2%減の13万1,000台、平均単価は前年同期比で3.6%のマイナスとなった。前四半期は、ODM Directをはじめとした個別設計サーバーの出荷台数比率が、x86サーバー市場の16.6%と過去最大となり、平均単価を低下させる要因となっていた。

 今期は、個別設計サーバーの出荷台数比率が、11.1%と低下したため、x86サーバー市場全体での平均単価を上げる要因となり得る。しかし、x86サーバー市場全体での平均単価は低下した。一部のクラウドサービスプロバイダーにおける大口案件でODM Directなどとの価格競争により、個別設計サーバーを除いたx86サーバーの平均単価が低下したとIDCはみている。なお、個別設計サーバーを除いたx86サーバーの平均単価は、前年同期比で4.1%のマイナス、個別設計サーバーの平均単価は、同2.2%のプラスだった。

ベンダー別出荷額では富士通が1位、以下NEC、日本ヒューレット・パッカードの順

 ベンダー別出荷額では、前四半期に続き富士通が首位だった。同社のメインフレームはプラス成長だったが、前年同期にあった大学向けのHPC(High Performance Computing)専用機の大型案件を補うほどの案件はなく、サーバー全体では2桁のマイナス成長だった。

 2位はNECで、上位ベンダーの中で唯一のプラス成長だった。x86サーバーで流通向けの大口案件が貢献しプラス成長となり、メインフレーム、その他のサーバーのマイナス成長を補った。3位は日本ヒューレット・パッカードで、その他のサーバーで大型案件が貢献しプラス成長となったが、x86サーバーの出荷額の減少を補うほどの出荷がなく、サーバー全体では2桁のマイナス成長だった。

 4位は日立製作所で、すべての製品分野で出荷額が減少し、サーバー全体では2桁のマイナス成長であった。5位はデルテクノロジーズで、2桁のマイナス成長だった。6位はIBM。前年同期にあったメインフレームや、その他のサーバーの大型案件を補うほどの出荷がなく、2桁のマイナス成長だった。これにより、IBMは、前四半期の4位から6位に後退し、日立製作所とデルテクノロジーズが順位を1つずつ上げた。

 IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は「出荷額を見ると、すべてのサーバー製品は、2四半期連続で前年同期比2桁のマイナス成長となった。x86サーバーのクラウドサービスプロバイダー向け大口案件におけるODM Directとの価格競争、パブリッククラウドサービスの台頭による新規サーバー購入案件の減少などが要因として考えられる。ベンダーは、顧客の経営や業務の視点から、顧客のエンタープライズインフラストラクチャを俯瞰し、オンプレミスITやクラウドサービスなどのITリソースを適材適所に提案できる体制を強化する必要がある。これにより、ベンダーの付加価値強化と新規案件(ニューワークロード)の発掘につなげ、今後の過当競争の回避と出荷額の拡大に努めることが求められる」と述べている。

参考資料:2016年第3四半期 国内サーバー市場 ベンダーシェア【出荷額】(作成:IDC Japan)  

 今回の発表は、IDCが発行した「国内サーバー市場 2016年~2020年の予測:2016年第3四半期」にその詳細が掲載されている。

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