スケールアウトソリューションは2015~2020年のCAGRが26%の高成長
国内ファイル/オブジェクトストレージ市場は、スケールアップソリューションとスケールアウトソリューションで構成されている。セグメント別では、大容量データを効率的に管理、活用できるスケールアウトソリューションへのシフトが進むとIDCは予測している。
2015年~2020年における支出額のCAGRは、スケールアップソリューションがマイナスになるのに対し、スケールアウトソリューションは26.0%と高い成長率となる予測だ。予測期間を通じてスケールアウトソリューションの構成比が拡大し続け、2020年には支出額で72.6%になると予測している。
2016年の支出額は877億6,500万円で前年比成長率は2.6%
2016年の国内ファイル/オブジェクトストレージ市場の支出額は、877億6,500万円となり、前年比成長率は2.6%となる見込みだ。2016年はスケールアップソリューションがマイナス成長となる一方、スケールアウトソリューションの市場規模が拡大し、スケールアウトソリューションへのシフトが進んだ。
ファイルストレージにおけるスケールアウト比率が上昇したことに加え、スケールアウトオブジェクトストレージにおける商用ソフトウェアを用いたSoftware-Defined Storageの構築が堅調に推移し、用途が拡大したことがその要因である。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの宝出幸久氏は「データの急速な増加とデータ活用の重要性の高まりによって、ファイル/オブジェクトストレージのメリットである、大規模環境への拡張性、運用管理の効率性などの要素への評価がよりいっそう高まる。ITサプライヤーは、直近のデータ管理課題を解決すると共に、データ活用基盤の実現へと導く将来像を提示し、Software-Defined技術を活用した提供モデルの多様化を進め、ファイル/オブジェクトストレージの展開を強化するべきである」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内ファイル/オブジェクトストレージ市場予測、2017年~2020年」にその詳細が報告されている。このレポートでは、国内ファイル/オブジェクトストレージ市場における支出額と出荷容量について、セグメント別(ファイルサーバー、スケールアップファイルストレージ、スケールアウトファイルストレージ、スケールアウトオブジェクトストレージ)に、2015年~2020年の分析と予測を行っている。また、オブジェクトストレージ市場におけるカテゴリー別(アプライアンス、商用ソフトウェア、サーバーハードウェア)の2015年~2020年の分析と予測も行っている。