2026年2月17日、富士通は大規模言語モデル「Takane」などを活用した、AIドリブン開発基盤「AI-Driven Software Development Platform」の運用を開始すると発表した。
富士通Japan株式会社 特定プロジェクト対策本部 本部長/富士通株式会社 公共・社会インフラビジネスグループ 特定プロジェクト対策室 室長 國分出氏
富士通は、2025年を“AIエージェント元年”と位置付け、ユースケースの創出やスタートアップとの共創に取り組んできた。その上で、同社 岡田英人氏は「富士通がやるべきは、システム開発プロセスを変革することだ」と話す。今回、ヘルスケア・行政向けのパッケージ製品を対象として、TakaneやFujitsu Kozuchiを組み込むことで、要件定義から結合テストまでを自動化することに成功したとする。まずは、法制度改正にともなう大規模システムの改修が発生する2つの領域において適用していく。
AI-Driven Software Development Platformでは、法制度の理解から要件定義、設計・実装、結合テストまでを一気通貫に自動化することで、(ベストコンディションにおいては)3人月かかっていたものを4時間に短縮、約100倍の生産性を確認できたとのことだ。
富士通Japan 國分出氏は、「システムエンジニア(SE)が有している暗黙知を整理し、AIに学習させるために『Multi-layer Quality Control』という仕組みを用いている」と説明する。レイヤーごとに反復しながら、各処理に特化したAIエージェントを用いることで、現場運用を理解したSEと同等の水準での実装がなされるとした。
2026年度中にヘルスケア・行政領域の67パッケージへと適用範囲を拡大することで、売上・シェアの拡大につなげていく。「AI-Driven Software Development Platformは、変化しつづけるシステムに強いという特徴をもつ。大規模かつ複雑なシステムを理解して改修が求められる、あらゆる業界において適用していく。一度指示を与えるだけですべての工程を自律的に、24時間365日にわたり処理してくれる。これにより、エンジニアは単純作業から解放され、新たな価値を創出できるようになる」と岡田氏。これを適切に実行するためには、AIが既存システムを正しく理解するための資産や知識、品質を整備する工程が重要であり、大規模システムにおける実践知を蓄積してきた富士通にこそ強みがあり、競合他社には簡単にまねできないものだという。
なお、2026年3月以降は、開発者向けコミュニティを立ち上げて毎月何かしらのイベントを実施するとのことだ。また、FDE(Forward Deployed Engineer)をはじめとした人材創出などを含め、ユーザー企業やパートナー企業との取り組みにも注力するという。
「生成AIの普及により、単純なシステム開発の価値は下がっている。AIの技術的進展が著しい中、継続的にシステムを進化させつづけられることが価値になっていく。2026年度より、すべてのシステム開発プロセスにAI-Driven Software Development Platformを適用していくことで、富士通がシステム開発ビジネスそのものを変えていきたい」(岡田氏)
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
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