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DB Press

SalesforceがDreamforce 2017を開催、顧客とつながることで生まれる第四次産業革命を新たな「myブランド」戦略でサポート


 今年もサンフランシスコのダウンタウンをSalesforceがジャックする、「Dreamforce 2017」が開幕した。今年は世界中の90以上の国々から17万人以上の事前登録があり、とてつもない数の参加者がサンフランシスコの街中にあふれタクシーもUberも捕まえられない状況となっている。今年のDreamforceでは、myTrailhead、myEinstein、myLightning、mySalesforce、myIoTと、サービス名称の前に「my」を付けた新たなブランド展開が発表された。このmyには「パーソナライズ」の、また「自分自身の手で作ることができる」といった意味が込められているようだ。

多様性がある中での平等が重要

マーク・ベニオフ氏
マーク・ベニオフ氏

 オープニングの基調講演のステージに登場したSalesforceのCEO マーク・ベニオフ氏は、DreamforceをSalesforceファミリーのための親睦会と喩えた。以前からベニオフ氏は、Salesforceに関わる顧客やパートナー、社員など全ての人たちをハワイの言葉である「オハナ(家族)」と呼んでいる。そんなオハナである今回の参加者たちのことを、「Trailblazers(先駆者)」と言う。これは、参加者がSalesforceのプラットフォームを使って未来を創る先駆者ということだ。

 今回基調講演でベニオフ氏が話題にしたのは、第四次産業革命。製品やサービスがつながることで新たな産業革命が起きていると言う。そして「顧客と新しい形でつながるのが第四次産業革命です」と、Salesforceらしさとなる顧客とのつながりを強調する。そして大事なのはこの新しい顧客とつながる技術で、社会をより良い方向に変えているかだとも指摘する。

 ベニオフ氏は、世の中の差別や平等についても触れた。「世界中の全ての子どもたちが、教育を受けられるようにする必要があります。また、Dreamforceには大勢の女性が参加しています。同じ仕事をしているのなら、女性でも平等な給与を提供しなければなりません。女性にも、その資格があるのです」(ベニオフ氏)

 さらにLGBTQについても言及、全ての人に平等な機会が与えられる必要があると言う。そしてそのような世界に変えていくのが、Dreamforceに参加しているTrailblazersだと。多様性がある中での平等が重要であり、第四次産業革命では世の中の全ての人を巻き込んでいく必要があると主張した。

myTrailheadで顧客が自信のための学習環境を作れるようになる

 今回の基調講演でベニオフ氏は、新たに展開する「myブランド」の紹介をするために最新の顧客事例を紹介した。その1つが米国の携帯電話キャリア「T-Mobile」だ。

 T-Mobileは、「PaaSのNo1プラットフォームを活用している」と説明したのは、Salesforce Co-Founderで同社の全ての製品戦略を統括するパーカー・ハリス氏だ。そのT-Mobileで新たに利用することになるのが、myTrailheadだ。もともとのTrailheadは、設定や開発などSalesforceにまつわる技術スキルを取得するために提供されている学習環境。これにmyが付いたことで、利用している顧客が自身の手で独自の学習環境を構築しスキル取得状況を管理できるようになる。現時点ではmyTrailheadは提供されていないので、今回紹介されたものはmyTrailheadのコンセプトのもとに先行的にT-Mobile向けに創られた学習環境と言うことになる。

パーカー・ハリス氏
パーカー・ハリス氏

 「画面はT-Mobileのカラーであるマゼンダ色になっています。これを使ってT-Mobileの数多くの店舗などで、スマートフォンの売り方やサービスの仕方を学べるようになっています。この環境は、T-Mobileが自ら作っているものです。それをT-Mobileの社員が使います。この中には、知識の習得を訊ねる簡単なクイズもあり、これを使って学べば、Trailheadと同じようにバッジがもらえます。ここでもらえるのは、T-Mobileのバッジです」(ハリス氏)

 パーカー氏は、AI、機械学習技術のmyEinstein(アインシュタイン)についても言及。Einsteinは、Salesforceのアプリケーションの裏側で動くAI、機械学習機能だ。これを使ってセールスやCRMのアプリケーションの中で、さまざまな予測機能が使える。そのEinsteinの予測分析の機能を取り出し、ユーザーが独自のカスタムアプリケーションを作れるようにしたのがmyEinsteinだ。myEinsteinは、クラウドプラットフォームの上でコード記述なくアプリケーション開発するためのツール「Lightning」に入り、そこにあるAppBuilderから設定して利用できる。

 たとえば、myEinsteinの予測分析機能を使って、Sales Cloudの中で四半期の売り上げ予測などを簡単に実現できる。

T-Mobile専用のデザインで実現している売り上げ予測分析画面

 「Einsteinが、自動で未来のことを考えてサポートしてくれます。SalesforceのプラットフォームにmyEinsteinのカスタムフィールドを作ることができ、これはまさにスマート(賢い)・カスタムフィールドです。これを使って、さまざまな予測が行えるのです。myEinsteinがSalesforceのプラットフォームからデータを自動で取得して機械学習を行い、その結果を使って予測ができます。これを使えば、みなさんはすぐにデータサイエンティストになれます」(ハリス氏)

 さらにLightningにもmyが付き、myLightningとなっている。この場合のmyはパーソナライズの機能を提供する意味となる。Lightningを使うことで、アプリケーションのレイアウトをダイナミックに変えることできる。AppBuilderには、ダイナミックなレイアウトをするためのLightningコンポーネントが用意されている。これを使ってたとえばT-Mobileでは、キャンペーンプロモーションのオファーをパーソナライズ化している。

 T-Mobileでは全ての顧客に同じようなキャンペーンをしたいわけではない。ある条件を満たした人にだけ与えたい特典があれば、対象者だけにそれがダイナミックに表示されるように、AppBuilderで設定できるのだ。「パーソナライズ化されたダイナミックの表示のために、コードを書く必要はありません。クリックだけで実現でき、Trailblazersであればすぐに使えます」とハリス氏は説明する。

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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