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経済ニュースをコアコンテンツにした「テレビ東京ビジネスオンデマンド」がビジネスパーソンを魅了する理由

2018/02/08 12:00

 海外の大手動画配信サービスが次々と日本上陸を果たし、動画配信サービスの競争が激化しつつある。一方、広告収入で成り立っていた無料の民放が運営するインターネット事業でも有料化への取り組みが急速に進んでいる。その先駆けとも言える存在がテレビ東京の「テレビ東京ビジネスオンデマンド」だ。月額500円(税抜)で、テレビ東京系列で放送中の経済ニュースや経済番組を「いつでもどこでも」閲覧できるというサービスで、ビジネスパーソンを中心に着実にユーザーを増やしている。その目的や戦略、今後の展望などについて株式会社テレビ東京コンテンツビジネス局ビジネス開発部の森岡史典氏に伺った。

経済ニュースをコアコンテンツにいち早く有料動画サービスを立ち上げ

株式会社テレビ東京 コンテンツビジネス局 ビジネス開発部 森岡 史典氏

 テレビ東京の「テレビ東京ビジネスオンデマンド」は、2013年3月にスタート。『WBS(ワールドビジネスサテライト)』『ガイアの夜明け』『カンブリア宮殿』『Newsモーニングサテライト』『未来世紀ジパング』といった、テレビ東京系列で放送中の人気番組を、月額500円で時間や場所の制約なく、スマートフォンやパソコンなどで閲覧できるというサービスだ。放送後、すぐに人気番組が視聴できるだけでなく、過去作も見放題。しかも企業名や業種などでの検索機能が充実しているということもあって、忙しいビジネスパーソンを中心に人気を博している。

 しかし、サービス開始当時の2013年といえば米国の動画サービス『Hulu』が日本で開始されるかどうかという時期。業界的には様子見の雰囲気が強かった頃だ。一方、テレビ東京では前年の2012年には有料動画の企画が上がっており、当時からシステムの担当として参画し、現在も運営の要としてサービスを支える森岡史典氏は「特に早いという意識はなかった」と振り返る。

 「既に親会社の日本経済新聞社で『日経電子版』という成功事例があり、最初からテレビコンテンツをネット配信するのなら“有料で”という意識がありました。さらに関連会社のテレビ東京ブロードバンド(現:テレビ東京コミュニケーションズ)でiモードをはじめとするモバイルを対象とした課金モデルが成立していたこともあって、有料配信モデルに対する違和感やアレルギーがなかったことも大きいと思います」

 コンテンツの事業化のヒントを探るべく、海外の情報収集が綿密に行われ、事例などもメーリングリストで共有されていたという。しかし、海外事例は規模が異なることもあり、あくまで参考としながら、テレビ東京独自の動画サービスの在り方を模索していった。

 「当時から“動画元年”などと言われていたので、自分たちも何かやらねばという焦りはありましたね。さらに放送外の収益を得るために新設された『コンテンツビジネス局』として、市場の縮小が予想されるDVD販売事業に代わる新しい収益源を確保することが課題となっていました。放送が終わった後に、コンテンツをどうネットに配信し、どうマネタイズするか。シンプルながらそれが最大の関心事だったのです」

 しかしアレルギーがなかったとはいえ、事業計画に対する反応が全て好意的だったわけではない。「ビジネスに特化した有料動画事業」と骨子が固まっても、社内からは厳しい意見が出されることも少なくなかった。利用料金も含め、今もなお「事業設計は模索中」だという。

 「iモードで主流だった月額300〜500円の価格帯を1つのベンチマークとして月額500円で開始しましたが、必ずしも確信があったわけではありません。しかしビジネス番組のファンは確実にいるし、求められているサービスであることには間違いない。まずは始めてから反応を見ながら少しずつ改善することが大切だと考えました」

 他にも、想像以上に手間がかかったのが著作権者からの「許諾」だった。番組やDVDなどに限定された許諾をとっていた当時、ネット配信については前例がない中で著作権者、一人一人に丁寧に説明を行い、許諾を取るほかなかった。

 「テレビ番組は本当に“権利の塊”なんですよね。それをほぐしながら、整理し、許諾を取っていくというのは、本当に地道な作業でしたが、誰かがやるしかない。しかし、それをしっかり行ったことで信頼も得ましたし、その後の許諾もスムーズに得られるようになりました」

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著者プロフィール

  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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