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我々はデジタル化の渦の中で、もう溺れそうになっている――情報システム部門の存在意義、デジタル化に向けて立ちはだかる壁

 あらゆる業界、業種においてデジタル化は避けては通れない局面に突入している。企業が最適な顧客体験を提供し続けるためには、デジタルへの対応は必須だ。その実現に向けて、企業の情報システム部門も変化を迫られるが、デジタル化には複数の壁が立ちはだかる。「NTT DATA Innovation Conference 2018」において、ジャパンSAPユーザーグループ会長で日本航空株式会社 常勤監査役の鈴鹿靖史氏等がパネルに登壇し、情報システム部門の現状や課題、デジタル化に向けてあるべき姿を議論した。

時代の流れに取り残される日本の情報システム

 一つ目のテーマは、日本企業における情報システムの課題だ。ジャパンSAPユーザーグループ会長で日本航空株式会社 常勤監査役の鈴鹿靖史氏は、日本企業の縦割り型の組織や個別最適の弊害について次のように指摘する。

ジャパンSAPユーザーグループ会長、日本航空株式会社 常勤監査役 鈴鹿 靖史氏

 「それぞれの組織が、こんなシステムを作ってほしい、こんなシステムがあるといいということを情報システム部門に言って、情報システム部門はそれに応じたシステムを作ってきたという歴史があります。個別最適のシステムが乱立しているという状況です。そのため、デジタル化、デジタル変革というのが非常に難しい状況にあるといえます。SAPに代表されるERPが世の中に出てきて20年ぐらいになりますが、このような延長線上でERPを導入した結果、十分にその強みを生かしきれていません。例えばデータを十分に活用できていないという状況にあるユーザー企業が多いというのが実感です」(鈴鹿氏)

 これは、情報システム部門がこれまでエンドユーザーが望むものを作るということに拘泥し続けてきた結果であるという。また、鈴鹿氏はここでの大きな問題として「カスタマイズの問題」を挙げる。

 「エンドユーザーからすれば、こんな機能があればいい、こういう使い勝手がいいということを言いますが、それを許容してきた情報システム部門にも責任があると思います。今はそういうカスタマイズの山の中にあります」(鈴鹿氏)

 カスタマイズは今やビジネス上の競争力にはなりえないものであり、データをいかにつないで、IoTや機械学習などのテクノロジーをいかに組み合わせるか、このような観点から独自性を打ち出して、ビジネスを勝ち抜いていく時代になっていると鈴鹿氏は指摘する。

クニエ Sr. Managing Director 蘇 航氏

 NTTデータグループのビジネスコンサルティングユニットであるクニエ Sr. Managing Directorの蘇航氏も、これまでの日本の情報システムは、現状業務の再現・システム化、システム屋としてのプロフェッショナル性、安定運用に対して存在価値があり、こういう面を会社の中でも評価されてきたという。しかし、時代の流れは変わったと蘇氏は強調する。

 「例えば、ERPの議論はもう20年前からあって、今ではクラウドで様々な標準化の仕組みが数多く提供されています。こういう時代において、標準化や横断的な動きを推進していくということに対して、情報システムは遅れていると痛感しています」(蘇氏)

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標準化の推進は、全体を把握できる情報システム部門にしかできない

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この記事の著者

渡黒 亮(編集部)(ワタグロ リョウ)

翔泳社 EnterpriseZine(Security Online/DB Online/Operation Online) 編集長大学院を卒業後(社会学修士、中学・高校教諭専修免許状取得)、デジタルマーケティング企業にてデータアナリストとしてCRM分析・コンサルティング業務に従事。2007年4月翔...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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