4つの変革で顧客の課題にアプローチする
Dell Technologies Worldの基調講演は、世界最大規模の「エアロファーム」で安全で新鮮な野菜がDell Technologiesの技術で作られているというビデオから始まった。エアロファームでは、たくさんの野菜が少ない資源から生み出されている。ステージに登場したDell Technologiesの会長兼CEO マイケル・デル氏は、「エアロファームの仕事は素晴らしいものです。ここでは、IoTのエッジからマルチクラウドのエコシステムまで、Dell Technologies全体の技術が使われています。これで世界を変革しています」と語る
世の中を変革して人類の進化に貢献するためには、具体的にデジタル、IT、ワークフォース、セキュリティと言う4つの変革を行う。この4つの変革をサポートするのがDell Technologiesの戦略だ。
デジタル変革は、当初はITテクノロジーの世界で言われていたこと。ところが今では、社会一般でも認知されるようになっている。デジタルを活用することで成長を促し、新しいビジネスが生まれ、顧客との関係性も改善する。デジタルテクノロジーの戦略が、今や企業のビジネス戦略そのものになっている。
「今後の成功は、過去のものとは違ってきます。ソフトウェア、データ、IoT、AIなどの技術を使うものになるのです。データから全てが始まります。Dell Technologiesでは、そのデータを保護し守っていきます。そうすることで顧客は、より良い製品やサービスを提供できるのです」(デル氏)
今回のDell Technologies WorldではIoTが大きな1つのテーマとなっている。今後生まれるデータは急激に増えるが、そのうちの99%は人から生まれるのではなく工場や港湾システム、乗り物のエンジンなど「モノ」から生まれる。そのようにIoTが大きく広がる世界になると、攻撃されるリスクも増える。当然ながらIoT機器を守るための、セキュリティについても考えなければならない。
「メインフレームは素晴らしいものでした。次にクライアント・サーバーが登場し、コストが大きく下がり何千万もの人がコンピュータを使えるようになりました。これにより、生まれたのが分散コンピューティングの世界です。そこからさらにクラウドが登場し、再びコンピューティングが一元化するという揺り戻しも起きています。その上で今後は、モバイルなどのエッジコンピューティングの普及もあるのです」(デル氏)
たとえば工場などのロボットでは、常にリアルタイムな選択が求められる。それを実現するには、クラウドによる集中型の処理ではなく、自身で判断できるようにする内蔵型のインテリジェンスが必要になる。これもIoTのエッジコンピューティングの例となる。
このようなマルチクラウドでエッジも活用する新しいコンピューティングの世界においても、Dell Technologiesがすでにさまざまな領域のリーダーだとデル氏は自信を見せる。サーバー、ストレージはもちろん、ハイパーコンバージド/コンバージドインフラでもリーダーであり、PCのビジネスも好調だ。
また、今後クラウド化がさらに進むことに対しては、パブリッククラウドにおける新たなサービスの発表も行われた。それがGoogle Cloud Platform(GCP)で、スケールアウト型のNASであるIsilonを提供する「Isilon Cloud for GCP」だ。
これを利用すれば、GCP Compute Engineクラスタの中からIsilonに対しセキュアで高速なアクセスが可能となる。Isilon Cloud for GCPでは、Dell EMCが24時間365日のプロアクティブな監視を行い、顧客はオンプレミスでIsilonを利用するのと同様にOneFSのインターフェースにアクセスして運用管理を行える。Isilonで提供される大規模な拡張性があるNASの、高性能で管理が簡素化すると言った価値を、GCPの上で享受できることになる。