今回の検証により、「AI BOX」が「Azure IoT Edge」を活用できるIoTデバイスになることに加え、特にネットワークカメラ映像をAIで画像認識するIoTシナリオなどにおいて、大量の映像・画像をネットワーク経由でクラウドに送り処理するのではなく、エッジの「AI BOX」においてAIを実行し、その処理結果だけをクラウドのAzureで可視化・分析できることが確認できたという。
クラウディアンの「AI BOX」は、GPU搭載のNVIDIA Jetson TX2とLTE/WiFi通信モジュールを内蔵した防水・防塵・落雷対策済のエッジコンピューティング装置になる。「Azure IoT Edge」は、何百万ものIoTデバイスとソリューションバックエンド間で、セキュリティ保護された信頼性のある双方向通信を実現するAzure IoT Hub上に構築されるIoTを提供するサービスになる。
今回、「Azure IoT Edge」エージェントと、モジュール管理と通信対応する「Azure IoT Edge」ランタイムを含む、「Azure IoT Edge」の複数モジュールを「AI BOX」上に展開し、次の検証を行った。
・AI BOXにAzure IoT EdgeモジュールをDockerコンテナで展開し、AI画像認識アプリケーションのワークフローを実行
・エッジのAI BOXでの分析・処理結果をクラウド側Azureに送信し、Azure IoT Stream Analyticsで可視化・分析
次の段階としては、エッジで収集したサンプルデータをもとに、AIの自動学習をAzureで行い、認識精度をさらに高めて「AI BOX」に展開するという「AI再学習サイクル」の構築を行う計画だという。
また、顧客のニーズに応じて、Azureの仮想サーバにS3 API互換のオブジェクトストレージ製品「HYPERSTORE」ソフトウェアを展開し、サンプルデータのマネジメントに使うことや、オンプレミスのHYPERSTOREとAzureのBLOBストレージを連携する活用も考えるとしている。