ExcelライクなUIを通じてさまざまな業務に対応する汎用ツール
プリザンターは、内田氏が前職で開発を始めたころから現在に至るまで、オープンソースとして提供されている。「後発で知名度がない製品を、なるべく広く認知してもらいたい」「なるべく多くの方々の課題解決に役立ちたい」という思いから選んだ提供形態だという。現在インプリムでは、同製品をオープンソース製品として無償で提供するほか、手軽にすぐ使えるクラウドサービスとして、月額数百円という安価な料金で提供している。
プリザンターの業務アプリケーションとしての立ち位置を簡単に説明するとしたら、「Webデータベースを中心に、汎用的な業務アプリケーションを容易に構築・利用できるソフトウェア」とでもなるだろうか。主たるユーザーインタフェースは、Excelのスプレッドシートに似た表形式になっている。この表の1行1行のレコードが、日々のマネジメント業務の管理対象となる「案件」「タスク」「資産」などに相当する。
例えば、プリザンターを使って営業部門における商談管理を行う場合は、レコード1件1件が商談となる。また開発業務におけるプロジェクトマネジメントであれば開発タスクに相当するだろう。あるいは、情報システム部門におけるIT資産管理に活用する場合は、レコード1件1件が管理対象のIT資産となる。
これだけであれば、単にExcelを使ってデータを管理するのと何ら変わらないが、プリザンターはこれらレコードを複数のユーザーで共有しながら内容を参照・更新したり、さまざまなツールやシステムを呼び出して業務を直接遂行できたり、あるいは業務の現在の状況をさまざまな形式でリアルタイムに集計・可視化できる。
例えば、営業担当者が自身の商談の進ちょく状況を報告する場合は、プリザンターの商談管理のテーブルから該当する商談のレコードを選択し、その中の該当する項目に実績値を入力する。するとプリザンターは自動的に入力された内容を集計し、カレンダーやクロス集計、ガントチャートといった形式で可視化してくれる。また、顧客管理テーブルや売り上げ管理テーブルなど、商談管理と関連するほかのテーブルとのリレーションも容易に設定できるほか、内容の変更履歴も自動的に残してくれる。
こうした機能を駆使することで企業のマネジメント層は、多数のExcelシートや業務アプリケーション、ツールをいちいち使い分けたり、それぞれの情報を突き合わせる必要がなくなり、単一のツール上で大部分のマネジメントタスクを回せるようになる。
「それぞれの業務に特化して開発されたアプリケーションは柔軟性に欠けるため、ちょっとした業務の変更にも対応できず、使い方を覚えるのも大変です。その点プリザンターは、日本企業のマネジメント層が使い慣れているExcelの操作性の延長線上で簡単に使いこなせますし、単一のツールでさまざまな業務に対応できる汎用性を備えているため、あらゆる業務・業態のマネジメント層から『とても使いやすい』という声をいただいています」