SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine Day Special

2024年10月16日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

プロが探る「これからのIT運用」

令和時代、サービスマネジメントの行く先――ServiceNow久納氏、アクセンチュア加藤氏対談<前編>


 デジタルトランスフォーメーションやサブスクリプションビジネスへと進むなか、IT組織はどうあるべきか。ITインフラ構築や運用の未来を、IT組織変革支援や複数ベンダー管理などに明るいアクセンチュア株式会社 テクノロジー コンサルティング本部 インテリジェントクラウド&インフラストラクチャグループ シニア・マネジャーの加藤 明氏と探っていく。第2回は、ServiceNow Japanでエバンジェリストを務める久納信之氏とともにエンタープライズサービスマネジメント(ESM)についてディスカッションする。(前編)

現状の社内サービスは"駅の自動券売機"だ

加藤:今回はエンタープライズサービスマネジメント(ESM)の実現に向けて、久納さんにおうかがいしたいです。はじめに現在のお立場を教えてください。

久納 信之 氏 ServiceNow Japan ソリューションコンサルティング統括本部
第二ソリューションコンサルティング本部 本部長 / ジャパンエバンジェリスト

久納:現在はソリューションコンサルティング統括本部で本部長をしていますが、ジャパンエバンジェリストのほうが本職です。サービスマネジメントやサブスクリプションビジネスの有用性を広め、お客様が新しいビジネスに取り組んでいただけるようにエンカレッジしています。

加藤:今回はサービスマネジメントについてということで、私がお客様とお話するときはITSMの話から入ることが多いのですが、久納さんはサービスマネジメントの現状をどう捉えていますか。

久納:サービスマネジメントは、三つの段階に分けられると考えています。ITサービスマネジメント、エンタープライズサービスマネジメント(ESM)、そしてビジネスサービスマネジメント。中でも、ESMは働き方改革にも通じています。社内のサービスを有効的にして、いいユーザーエクスペリエンスを提供するというものです。しかし実現できている会社はまだ多くありません。

例えば社員に子どもが生まれたとします。新しい健康保険証をもらいたいが、どこに問い合わせをしたらいいのか一目で分からない、だから無駄が多いしストレスもたまる。皆さんが普段使っているAmazonやUberのようなスマホアプリは、起動すればどう操作すればいいのか感覚的に分かるようになってきているのに、社内システムにおいてはそうしたことが未だ実現できていないんです。

加藤:社内システムの中にサービスはあるが探し出せないということですか?

加藤 明 氏 アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部
インテリジェントクラウド アンド インフラストラクチャー グループ シニア・マネジャー

久納:そうですね。ただ、実在するサービス自体も有用性と保証という面で良いサービスになっていません。例えば新しい健康保険証がいつ届くのかステータスが不明など。ユーザーが「このサービスを使うことでより良い結果が得られる」と思わないと使用すること自体に嫌気が差してしまう。価値を与えられていなければ良いサービスとは言えません。

一方でリクエストを受ける側を考えてみます。先ほど挙げた例でいうと、人事は社員から多数の問い合わせを受けています。今では申請書が紙からExcelシートに変わり、入力して送付してもらうようになりました。人事側で入力は不要になったとしても、社員は入力作業に手間がかかっていますよね。しかも複数の担当部署に対して同様の項目を入力している。これでは社内全体で見たら効率化が進んだとは言い切れません。

加藤:なるほど。

久納:わかりやすい例として、駅の券売機で考えてみてください。昔は駅で「池袋まで子ども1枚」と言えば、駅員さんが切符を発行し、子ども料金で「30円」と教えてくれました。しかし駅員が大人数必要になります。そこで自動券売機が登場しました。今度は乗客が駅にある大きな路線図を見て、行先までの料金を調べ、子どもなら「子ども」ボタンを押して切符を購入します。しかしこれでは駅員の手間は省けましたが乗客の手間は省けていませんよね。切符を間違えて購入して気付かなかったとしても自己責任です。

それがITの力によって変わりました。目的地までの料金を調べることなく、ICカードをタッチすればいいだけです。自動でチャージもできます。この例でいうと、現在の社内手続き(サービス)は自動券売機の段階なのです。そして、ESMとは社内で新しいユーザー体験ができるようなサービスを展開していくためのものです。

次のページ
社内向けのサービスから"サブスクリプションビジネス"へ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
プロが探る「これからのIT運用」連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/12016 2019/08/01 17:11

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング