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RPA×AIの強みを持つAutomation Anywhere、マイクロソフトと協業の理由

 RPAベンダーのAutomation Anywhereは、2019年6月にMicrosoftとの協業を発表した。今後は同社の製品を稼働させるクラウドインフラとして、Microsoft Azureを推奨クラウドとする。加えてMicrosoft 365、Microsoft Dynamics、Microsoft PowerBI、Microsoft Power PlatformなどMicrosoft製品との密な連携機能も提供。既にRPA Botを提供しているオンラインマーケットプレイス「Bot Store」には、60以上のMicrosoft製品向けボットを提供しており、さらに追加し拡充する予定だ。  Automation Anywhereの技術面での強みやMicrosoftとの協業の背景について、Automation AnywhereのCTO プリンス・コーリ氏に話を訊いた。

AIを取り込んでプロセスを理解し自動化する

――はじめにAutomation AnywhereのRPAソリューションについて、技術的な特長はどのようなものになりますか?

コーリ氏:Automation Anywhereには他にはない特長がたくさんあります。そのうち特筆すべき特長を2つ挙げます。まず、実装がクラウドネイティブなアーキテクチャになっていること。これにより、顧客の環境がオンプレミスでもプライベートクラウド、パブリッククラウドであっても柔軟に対応できます。もちろん、複数の環境を組み合わせたハイブリッドクラウドでも利用できます。

 もう1つはインテリジェント・オートメーションクラウドです。これは、AI技術をプラットフォームとして提供するものです。RPAの仕組みの中にAI技術があることで、ドキュメントやスクリーンに表示される情報の意味を理解できます。これはつまり、プロセスを理解して自動化するということです。我々はAI技術で様々な製品をカバーしています。

 たとえばAI技術を活用する機能の1つ「IQ Bot」は、非構造化データであるドキュメントを理解します。提供してまだ2年半ほどですが、開発には4年以上の時間をかけました。他にも自動化するアプリケーションのユーザーインターフェイスの理解にもAIを活用します。AI Senseの機能を使ってイメージマップを作り、その中にある情報を理解できる。これを使えばWebアプリケーションの階層の深さや、情報の表示位置などを理解して自動化することもできます。

 競合の多くは、自社製品の中でどのようにAIを使っているか秘密にしていますが我々はそれをオープンにしています。またChat Botの中で自然言語処理を行うような部分は適宜外部の技術とも連携し、オープンなエコシステムの中で機能を実現しています。我々は真にAIのことを理解しているベンダーと自負しています。AIを活用しているRPAベンダーとしてはライバルはいません。

――AIの活用では自信があるとのことですが、逆に技術的に足りていないところ、今後強化していくところはどのようなところになりますか?

コーリ氏:AIの使いどころには、まだまだ余地があります。現状、業務の中で紙を利用するものがたくさん残っていますよね。それをAutomation Anywhereを使うことで、向こう5年で全てなくす。そのためには、非構造化データのドキュメントなどの内容をより深く理解する必要があります。ただ紙のドキュメントをデジタル化して取り込むのではなく、AIで内容を十分に理解する必要がある。 重要なのは、AIを使ってデジタルワーカーを作ることです。デジタルクラークでは、人が今行っている作業を自動化できますが、それだけでなくデジタルワーカーはAIを使って判断できるようにします。単なる人の作業の置き換えではなく、さまざまな領域でデジタルワーカーが働けるようにしていきます。そのためのベースとなるプラットフォームを我々は持っている。それを使って、重要なところから徐々に自動化を進めていきます。

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MSと協業の背景 オープン・エコシステムで外部技術と連携、プロセスを自動化する

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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