企業が日々行っている一連の業務活動、なかでも、繰り返し実行される定型的な業務をビジネスプロセスと呼びます。そして、このようなビジネスプロセスを継続して改善していくことを「ビジネスプロセスマネジメント」と呼びます。 本連載では、ビジネスプロセスマネジメントとは何か、ビジネスプロセスと情報システムの関係、ビジネスプロセスのための記法や方法論について説明していきます。第1回は、ビジネスプロセスマネジメントとは何かと、ビジネスプロセスマネジメントと情報システムの関係について説明します。
ビジネスプロセス
読者の皆さんは、ビジネスプロセスという言葉を聞いて何を思い浮かべるでしょうか。「ビジネスプロセス モデリング」「ビジネスプロセス マネジメント」「ビジネスプロセス リエンジニアリング」「ビジネスプロセス インテグレーション」などでしょうか。
ここでは、「企業が日々行っている一連の業務活動」、中でも「繰り返し実行される定型的な業務」をビジネスプロセスと呼びます。たとえば、受注から納品までの一連の作業や、交通費の精算から支払いまでの一連の作業などがビジネスプロセスです(図1)。

ビジネスプロセスとビジネスゴール
では、本連載の中心的な話題であるビジネスプロセス マネジメントとはなんでしょうか。
そもそも、企業は目的もなく企業活動を行っているわけではありません。企業はそれぞれのビジョンや方針を掲げ、このビジョンや方針に従ってビジネスゴールを設定し、そのビジネスゴールを達成するためにさまざまな企業活動を行っています。ビジネスゴールを設定する場合も、闇雲に設定しているわけではなく、企業は自分たちがおかれている環境(ビジネス環境)を考慮してビジネスゴールを設定しています。たとえば、市場の規模や競合他社との関係を考慮に入れて、「年間利益XX億円を達成する」や「顧客満足度をYYポイント改善する」といったビジネスゴールを設定しています。そして、このようなビジネスゴールを達成するために営業活動や製品開発などの企業活動(ビジネスプロセス)を行っています。
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竹村 司(タケムラ ツカサ)
日本アイ・ビー・エム(株)
エンタープライズ・アーキテクチャー&テクノロジー
シニアITアーキテクト
1986年日本アイ・ビー・エム(株)入社。以来、種々のインダストリー向けアプリケーションソフトウェアやソフトウェアコンポーネントの開発に従事。現在はサービス事業において、お...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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