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新Unity XTシリーズは性能も効率性も妥協しない マルチクラウド環境にも効果的

edited by DB Online   2019/09/24 11:00

 「妥協のないミッドレンジストレージ」とデル テクノロジーズがうたうのが「Dell EMC Unity XT」シリーズだ。ミッドレンジのストレージでありながらも、高性能でクラウド環境との相性もいい。どのような技術で実現しているか、デル テクノロジーズ アジア太平洋地域 ミッドレンジストレージ担当CTO Robert Stevanoski氏が解説する。

新シリーズはダブルソケットでCPU増強 NVMeにも対応済み

 2019年5月、デル テクノロジーズは新しい「Dell EMC Unity XT」シリーズを発表した。同社 アジア太平洋地域 ミッドレンジストレージ担当CTO Robert Stevanoski氏は「ミッドレンジストレージの最先端ポートフォリオは全く妥協のないストレージです」と胸を張る。

デル テクノロジーズ アジア太平洋地域 ミッドレンジストレージ担当CTO Robert Stevanoski氏
デル テクノロジーズ アジア太平洋地域 ミッドレンジストレージ担当CTO Robert Stevanoski氏

 言うまでもなく、ビジネスのデジタル化を進めていくにはデータ活用が不可欠だ。そのなかでデータをシンプルに扱えて、運用の自動化を促進し、かつ重要な資産とも言えるデータをセキュアに扱うことが求められている。こうした時代要請を背景に新しいXTシリーズが設計されている。Stevanoski氏は「データを十分に活用して皆さまのビジネスを高められるよう、ITの力を引き出していこうと考えています」と話す。

 技術的な側面から見ると、新しいXTシリーズでは従来モデルと比較して最大2倍となる性能強化、最大1/5のデータ効率性、マルチクラウド対応がポイントとなる。長期的に利用できるよう設計しており、NVMeにも対応済みだ。

 新シリーズには8つのモデルがある。Unity 380、380F、480、480F、680、680F、880、880Fとあるように、4つのタイプにそれぞれハイブリッドモデルとオールフラッシュモデル(末尾にFがつくもの)がある。シャーシが変わり、見た目が少し一新された。新シリーズの特徴としてStevanoski氏は「ファームウェアの性能が格段に向上し、CPU数が増えています」と強調する。

 従前モデルだと1つのソケットにつき1CPUとなっていたところ、新モデルだと倍のデュアルソケットとなり、1ソケットあたり2CPUになった。メモリも1システムあたり50%増強されている。ハードウェア増強に加え、付加価値の高いソフトウェアも包括的に実装し改善が加えられているのも特徴だ。例えば従前モデルだと、ローエンドモデルでは重複排除が利用できなかったところ、新シリーズでは全てのモデルで重複排除が利用できる。

 「実際にご覧にいれましょう」とStevanoski氏は実機の背面を提示した。どのモデルも2Uで、コントローラが2つ。480/480Fから880/880Fでは、それぞれのコントローラにCPUがデュアルソケットになっている。通信増設用のMezzanineカードを4ポート搭載しできるため、通信は最大で25GbEまで対応可能だ。ほかにもバックエンドには12Gb SAS、フロントエンドにはイーサネットや光ファイバーにも対応している。380/380Fでは従前モデルと比較してメモリ拡張やIOモジュールの選択肢が広がったことが挙げられる。

実現したのはパフォーマンス、効率性、マルチクラウド

 ここまでハードウェア中心に改善点を見てきたが、実際にどのようなことが可能になったのか、パフォーマンス、効率性、マルチクラウドの3つの観点から見ていこう。

パフォーマンス

 Stevanoski氏は「パフォーマンスといっても、IOだけとは限りません。どれだけ短時間でデプロイが可能か、また将来を見越したアーキテクチャや柔軟性も重視しています」と話す。

 まずはIOPS。先述したように、従前モデルと比較して最大2倍のIOPSが出せるように改良された。「さらに重要」とStevanoski氏が強調するのがレイテンシーだ。こちらは従前の1/4まで縮めることができた。Stevanoski氏は「似たような価格帯の競合他社製品と比べると、IOPSが67%高速」と強調する。

 実際の現場でのワークロードも考慮した従前モデルとの比較結果も示された。Microsoft SQL Serverでは、読み取りでは最大29%、書き込みでは42%の改善が見られた。書き込みが集中する仮想デスクトップ(VDI)では、52%の改善を実現できた。Stevanoski氏は「書き込みのパフォーマンスが向上している点はぜひご注目ください。長期的な投資として価値があると考えていいと思います」と指摘する。

 パフォーマンス改善に寄与しているのがIOモジュールだ。新シリーズでは25Gb iSCSI光に対応可能となっている。Stevanoski氏は「まず10Gbを使い、将来25Gbに切り替えることもできます」とメリットを挙げる。ハイブリッドモデルでは従前の6TBからNL-SASの12TBのハードディスクへ容量を拡張した。

 さらにStevanoski氏は「こうした機能拡張もさることながら、短時間でデプロイできることも重視しています」と付け加える。一般的に新しいハードウェアを購入すると、箱から出して使えるようにするまでそれなりに時間がかかる。

 しかし新シリーズでは現場での展開の速さにも工夫をこらしている。Stevanoski氏は「様々な複雑性を排除し、25分で箱から出して稼働できるようにしています。ここは優れたポイントだとお客様からもご評価いただいています」と話す。

効率性

 「パフォーマンスがどれだけ優れていたとしても、そこにスマートに効率を出せる方法がなければ意味がありません」とStevanoski氏は指摘する。効率性を高めるためにどのような技術を盛り込んでいるかを見ていこう。

 大きく分けてストレージの効率性、シンプルなマネジメント、それからマルチプロコトルだ。これらを組み合わせることでトータルの効率性を高めるように設計されている。

 まずはストレージの効率性。物理的には同じでも、どれだけのデータを格納できるかでストレージの効率性が変わってくる。Unityではインライン重複排除と圧縮にて、最大で5:1のデータ削減が可能だ。システムの実効容量は85%としている。実際にはワークロードや環境にもよるため、デル テクノロジーズは3:1ストレージデータ削減を保証している。

 新シリーズのオールフラッシュモデルでは重複排除機能に改善が加えられ、さらなる効率性向上を実現している。従前モデルから類似データブロックの複数のコピーが排除されるなど高度な重複排除機能が搭載されていたが、これには多くのCPUリソースを消費するため、新シリーズではCPUを増やすことでパフォーマンス向上させている。

 運用管理面でも効率性が高められている。もともとUnityはブロックベースのLUN、ファイルシステム、仮想ボリュームのVVOLなどあらゆるデータタイプをまとめて格納できるストレージだ。これをUnisphere/Unisphere Centralでシンプルに管理できる。HTML5でできたUIでブラウザからアクセスできて、直感的なワークフローとなる。管理できるUnityアレイは最大1000台まで。

 ほかのソフトウェアとの連携だとデルテクノロジーズのバックアップソフトやVMwareのソフトウェアはもちろんのこと、Microsoftなどサードパーティー製品との統合も図られている。ほかにもコマンドラインからのアクセス、APIも利用可能なのでプログラムからの連携も可能だ。

 運用管理者にとってうれしいことがまだある。管理用のGUI画面にはオンラインヘルプデスクが組み込まれており、ドキュメントの検索やサポートとのチャットなども実現している。こうした利便性向上も運用管理の効率性につながる。

マルチクラウド

 Unityはミッドレンジストレージ製品だ。HCIならともかく「マルチクラウド」でUnityが出てくるのは意外かもしれない。Stevanoski氏は「ワークロードは常にいろいろ存在します。時には柔軟性があるストレージも考えていく必要があります。例えばNASで重複が多い場合。あるいは、大きなキャパシティフットプリントがあるアプリケーションでは、専用のストレージプラットフォームとクラウドプラットフォームとの統合機能が重要になります」と説明した。

 マルチクラウドの観点で大きな役割を果たすのがVMware Cloud Foundation(VCF)との統合だ。デルテクノロジーズのストレージ製品群はVCFと統合をできる唯一かつ最良の選択肢となる。

 クラウドがVCF(プライベートクラウド)ではなく、AWSのパブリッククラウドでもUnityは力を発揮できる。なぜならUnityはVMware Cloud on AWSからレプリケーションで利用できるからだ。パブリッククラウドのソフトウェアデファインドストレージとオンプレミスのストレージの接続は、VDIのホームディレクトリ、テストや開発、レプリケーションサイトといった用途に向いている。ファンアウトトポロジーとカスケードトポロジーを組み合わせて多様なトポロジーを組むことも可能だ。

 クラウドとの接続という点では、さらにDell EMC Cloud Tiering Applianceがある。例えばオンプレで利用しているアプリケーションのデータをクラウドにプッシュするといった使い方ができる。ポリシーで設定すれば利用可能なので、アプリケーションに変更を加える必要はない。スナップショットの転送、あるいは長期的な保存のための転送などで使えそうだ。なおクラウドへの転送時やクラウドでの保存には暗号化を施せるため、セキュリティ的にも安心だ。

 Unityといえば、欠かせないのがCloudIQ。世界中で運用されているUnityから各種情報を収集し、キャパシティ予測や故障の予兆を検知する。ブラウザからのアクセスはもちろん、iOSまたはAndroid向けのアプリもあるためモバイル端末からの利用も可能だ。もともとCloudIQはUnityから始まったシステムなので、Unityとの相性はいい。

安心して使えるミッドレンジのストレージ

 あらためて新しいUnity XTシリーズを見ると、ハードウェアとソフトウェアの両面で改善を加えることにより、高いパフォーマンス、効率性、マルチクラウド環境で便利に使えるようになっている。ソフトウェアはデータ管理に必要なものが包括的にそろっているのも強みだ。

 最後にStevanoski氏は「Future-Proof Loyalty Program」について採りあげた。保証されるのは先述したようにストレージデータ削減保証だけではなく、ストレージ効率性や満足度についても保証がある。またライフタイムの間にどれだけサポート価格がかかるのか予測できるようにしている。

 「皆さまが新しいプラットフォームに刷新するとき、投資の価値を損なわず、確認しながら先に進めることができます」(Stevanoski氏)

著者プロフィール

  • 加山 恵美(カヤマ エミ)

    EnterpriseZine/Security Online キュレーター フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。 Webサイト:http://emiekayama.net

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