SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

Data Tech 2022

2022年12月8日(木)10:00~15:50

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

紛争事例に学ぶ、ITユーザの心得

「ちょっとだけ待ってくれる?」が潰すITプロジェクト

プロジェクト破綻の原因としてユーザの作業遅延はどこまで考慮されるか

 少し補足すると、ベンダとしても未納や遅延・不備の存在は認めるものの、そこにはユーザ企業の協力が不十分だった為であるとの主張をしています。具体的には以下のようなことだったようです。

  1. 外部インタフェース仕様の整理が遅れたこと
  2. ベンダの提示した移行作業方針及び移行処理方式の回答をしなかったこと
  3. ソフトウェアを動作させる環境の構築がユーザ企業の都合で延伸されたこと

 つまり、プロジェクトが遅れたのは事実だが、その原因はユーザにあり、自分達に非はないというのがベンダの主張です。成果物の未納や遅延・不備がベンダだけの責任であったかどうか、上述の1、2、3が本当にスケジュール遅延や品質の低下をもたらすほどの重大事であったのか、その辺りがこの争いのポイントとなりました。さて結果はどうだったでしょうか?

  (東京地方裁判所 平成27年3月24日判決より<つづき>)

 (未納、遅延・不備について考えてみると) ユーザ企業の分担に係る外部インタフェース仕様整理がされていないためにインタフェース一覧が未納であること、ベンダが移行作業方針及び移行処理方式の確認を求めたのに対し、ユーザ企業の回答がないために「システム/データ移行設計書」が作成できなかったこと、環境構築がユーザ企業の都合で延伸されたため未納となっていることが認められる。

 上記前提事実によれば、ユーザ企業が未納と主張する成果物は、納品されているか、又は未納となっていることについてベンダには帰責事由はないと言わざるを得ない。また,各フェーズにおいて、納期に遅れて納品された成果物があることがうかがわれるが,証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば,各フェーズにおける個別の成果物の納品の遅滞は,主にユーザ企業による情報提供等の遅れやベンダの受注範囲外の(中略) 仕様確定の遅れ等に起因するものであって,ベンダには帰責事由がないと認められる。

次のページ
ユーザの「ちょっとだけ待って」がプロジェクトを潰す

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
紛争事例に学ぶ、ITユーザの心得連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

細川義洋(ホソカワヨシヒロ)

ITプロセスコンサルタント東京地方裁判所 民事調停委員 IT専門委員1964年神奈川県横浜市生まれ。立教大学経済学部経済学科卒。大学を卒業後、日本電気ソフトウェア㈱ (現 NECソリューションイノベータ㈱)にて金融業向け情報システム及びネットワークシステムの開発・運用に従事した後、2005年より20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/12511 2019/10/09 06:00

Job Board

PR

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

2022年12月8日(木)10:00~15:50

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング