SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

Security Online Press

そのクラウドサービス、本当にデータを渡しても大丈夫? マカフィーがレポートでリスクを指摘

 

 マカフィーは「クラウドの採用とリスクに関するレポート エンタープライズ スーパーノヴァ:データ分散編」を発表した。世界11ヶ国の企業IT担当者1,000人を対象にした調査と、McAfee MVISION Cloudの利用データ分析から得たものを合わせたレポートとなる。企業でクラウドサービスの普及が進む一方、機密データの扱いに関するリスクを指摘している。

クラウドサービスが普及した今、リスクについて見直してみよう

 クラウドサービスは必要な時に手軽に使えて便利だ。いまや百花繚乱。消費者向けではなく企業の業務向けのサービスも増え、業務で使う機会が増えてきた。かつては企業(システム部)が利用を認めていないものが現場の独断で普及してしまう「シャドーIT」が問題視されていたが、近年では企業の統制が進んでいる。

 マカフィーの「クラウドの採用とリスクに関するレポート エンタープライズ スーパーノヴァ:データ分散編」によると、企業は世界平均で41のクラウドサービスの利用を認めており、昨年の29に比べて33%も増加した。日本では52で世界平均より高い。

 生産性や効率性を考えたら、便利なクラウドサービスは積極的に活用していきたい。しかし、ここで立ち止まってみよう。データ保護の観点からリスクはないだろうか。

情報漏えい対策

 情報漏えいに対する企業の責任は高まるばかりだ。情報漏えい防止(以下、DLP)のための技術や製品があるものの、調査によるとDLPを実行している企業は37%でまだ少ない。

 マカフィー櫻井氏は「SaaSでDLPを実行している企業では、平均して毎月4万5,737件のインシデントを確認しています」と話す。この場合のインシデントはアラートとして記録されるもので、深刻なものから軽微なものまで幅広く含む。深刻なレベルで件数が多いものにはログイン試行がある。いわゆるブルートフォースアタック、実在するメールアドレスで手当たり次第にパスワードを入れてログインを試みる攻撃だ。軽微なインシデントではユーザーがファイルに共有設定したとか、何らかのクラウドサービスにファイルをアップロードしたとか、正規の業務活動だが念のため記録されるものだ。

マカフィー セールスエンジニアリング本部 本部長 櫻井 秀光氏
マカフィー セールスエンジニアリング本部 本部長 櫻井 秀光氏

 先述したようにDLPを実行している企業が37%であれば、逆に言えば63%の企業はまだ実行していないことになる。そうした企業では「情報漏えいやデータ損失が起きても気づいていない可能性がある」と櫻井氏は厳しく指摘した。

個人情報など機密データの扱い

 マカフィーがMcAfee MVISION Cloud(CASB)ユーザーのクラウド利用状況を分析したところ、企業の79%がマイナンバーや社会保障番号などの機密データをパブリッククラウドに保存していることがわかった。日本においては85%だ。

 クラウドサービスにおける機密データが含まれるファイルの割合は年々増加しており、2018年は21%だったところ2019年では26%と増加した。とはいえ、割合が高まったからといって悪いとは言い切れない。クラウドサービスプロバイダが安全性を高める努力を重ねたことで信頼感が高まり、結果的に増加したとも言える。

 気になるのがファイル共有。クラウドサービスを使う理由は「ファイルを共有したいから」が多いのではないだろうか。調査によると、最終的になんらかの形でファイルが共有されている割合が49%。そのうち、機密データが含まれる割合は12%。またクラウド内で機密データを含む共有ファイルのうち、一般公開リンクを使うものが9%。2018年の4%から、2019年では9%と倍増している。

 一般公開リンクは共有したいファイルにアクセスするためのURLだ。URL自体がパスワードのようなもので、メールやメッセージなど非公開のコミュニケーションで伝えるならいいかもしれない。しかし何らかの形でこのURLが漏えいすれば、誰もが共有ファイルにアクセスできてしまう。

 一般公開リンクで機密データを共有する場合には、ログインを必要とするサイトを使うなり、ファイルにパスワードをかけるなり、共有できたらすぐ削除するなど慎重に運用したほうがいいだろう。

次のページ
私有デバイスからのアクセス(BYOD)

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
Security Online Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/12733 2020/02/14 15:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング