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【チームスピリット×Zuora対談】サブスクリプションビジネスの本質は価格に見合った価値の提供にあり

edited by Operation Online   2020/03/19 06:00

価値の提供で生まれるサブスクリプションビジネスの勝機

荻島:私たちがやろうとしたのは、ソフトウェアという資産を作って、そのソフトウェア資産に稼いでもらうことです。チームスピリット起業前、私はソフトウェアの受託開発のビジネスに長年携わってきたのですが、ソフトウェアという資産が出来た今は、その頃とは違い、お客様に直接向き合うのではなく、価値を提供するためのサービスを介してお客様とつながっています。このサービスを作ることが非常に難しい。お客様がまだ気づいていない、でもこれがあってよかったと思わせるものを作らなくてはなりません。それが価値の正体で、提供の方法論としてサブスクリプションモデルがあるのだと思います。

 お客様に価値を提供したいという思い自体は受託開発の時代から変わりませんが、当時はセールスフォースのForce.comのようなPaaSやZuoraのような仕組みはありませんでした。

 現在、当社の社員約100人中、その半分を価値を創るための開発に割り当てています。間接部門は全体の2割程度で、それができるのはプラットフォームの仕組みを使っているからです。価値を提供するためのサービスを作るのは、大変といえば大変ですが、それがビジネスというものです。案外、本来の仕事をせずに周りの余計なことを仕事にしていることが多いのかもしれませんよ。

桑野:私たちから見ると当たり前ですが、最初から気づいている経営者は少ないと思います。荻島さんは初めからそれに気づいていたわけですね。

荻島:価値があると認められないと大企業でも選ばれません。逆に言えば、スタートアップでも価値が認められれば選ばれるということです。

桑野:おっしゃる通りで、プロダクトが良くなければビジネスは伸びません。

荻島:どの会社も価値の提供を中心に考えているのですが、他のところに目が向いているだけなのかもしれません。開発者がいない。データセンターのコストが高い。レベニュー組織がうまく動いていないなど、課題は山積みになっているかもしれません。それぞれの課題を解決すれば、短期的には競合他社に差をつけることはできるでしょう。でも本当の差別化は自分たちが開発するサービスを通した価値の提供にあると思います。桑野さんが話したように、お客様とつながっていれば、お客様のフィードバックを受けて改良できます。サブスクリプションのビジネスモデルはとてもよくできている。合理的な分、できる会社とできない会社の差はこれから大きく開いていくことになると思います。

Zuora Japan 代表取締役社長 桑野順一郎氏(写真左)株式会社チームスピリット 代表取締役社長 荻島浩司氏(写真右)

Zuora Japan 代表取締役社長 桑野順一郎氏(写真左) 株式会社チームスピリット 代表取締役社長 荻島浩司氏(写真右)

サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略
サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略

著者:荻島浩司
発売日:2020年1月14日(火)
価格:1,600円+税

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著者プロフィール

  • 冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

     IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタントとして活動中。ビジネスとテクノロジーのギャップを埋めることに関心があり、現在はマーケティングテクノロジーを含む新興領域にフォーカスしている。

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