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【Zuora調査】新型コロナウイルスによるサブスクリプションビジネスの影響は?


 サブスクリプションビジネスのマネジメント向けソフトウェアを提供しているZuoraは、半年に一度サブスクリプションエコノミーについての調査を実施している。同社は2020年3月1日から31日までの間、新型コロナウイルス(COVID-19)が過去12カ月(2019年2月~2020年2月)と比べ、新規サブスクライバー獲得率にどんな影響をもたらしたかを調べ、「COVID-19 Subscription Impact Report」としてまとめた。Zuoraは4月21日に開催したオンラインプレス発表会で結果を共有した。

Zuora Japan シニアカスタマーサクセスマネージャ 平井輝恵氏<br />Zuora チーフデータサイエンティスト PhD Carl Gold氏

(左)Zuora Japan シニアカスタマーサクセスマネージャ 平井輝恵氏
(右)Zuora チーフデータサイエンティスト PhD Carl Gold氏

サブスクリプションビジネスで成長するためにはベストプラクティスが必要

 Zuoraが定期的に実施しているサブスクリプションエコノミーに関する調査では、同社の製品を利用している企業の実績を集めたデータベースを用いている。このデータベースは顧客のプライバシーの保護と守秘義務を徹底した上でそのビジネス成果を集計しており、現在のデータベースには企業数にして全世界700社超のデータがあるという。ただし、運用を開始してから2年以上を経過した企業のデータが対象であり、創業間もないスタートアップがZuoraを利用していても、集計の対象にはならない。Gold氏によれば、調査はサブスクリプションビジネスの世界的な市場トレンドを把握すること、そしてビジネスを成長させるためのベストプラクティスを特定することを目的に実施しているという。

 Subscription Economy Index(以降、SEI)は、このデータベースを用いてサブスクリプションビジネスを展開している企業の収益成長をインデックス化したものである。株価のインデックスに似ているが、サブスクリプションビジネスの重要指標である各企業の売上──MRR(Monthly Recurring Revenue)やARR(Annual Recurring Revenue)に着目している点がSEIの特徴である。

 そのSEIを2019年第4四半期までの四半期ごとの推移を見た結果が図1である。2012年1月の100に対して、2019年第4四半期のSEIは378。年平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は18.1%で成長している。比較材料のS&P 500企業の売上成長率は同3.7%であり、サブスクリプションビジネスを展開している企業はS&P 500企業と比べ約5倍の成長を遂げているとわかる。また、アジア太平洋地域の動向を見ると、2018年1月を基準とするSEI APACのCAGRは16.3%。同時期のNikkeiのCAGR4.1%と比べると、地域を限定してもサブスクリプションビジネスを展開している企業の成長性が高いとわかる。

SEIの推移(出典:Zuora Japan)

図1:SEIの推移(出典:Zuora Japan)

 しかし、「個社単位で見ると結果に開きがあるため、全体的な成長の高さに騙されてはいけない」とGold氏は警告する。実は上位10%の企業はCAGRが88%であるが、下位10%の企業のCAGRはマイナス24%である。この結果からは、サブスクリプションビジネスをやれば成功が約束されているわけではない。だからこそオペレーションを改善し、ビジネスを成長させるためのベストプラクティスが必要になるとGold氏は訴えた。

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不確実性の高い経済環境下でも多くが成長

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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