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会計DXのために必要な「コンティニュアス・アカウンティング」とは――ブラックライン古濱社長

edited by Operation Online   2020/07/06 12:00

業務の平準化で実現できる経理部門の働き方改革

――よく「経営管理の高度化」に集中できるようになるという話を聞きますが、BlackLineを導入することで経理部門はどう変わるのか。もう少し具体例を紹介していただけますか。

 典型的なマニュアル作業が中心の決算プロセスでの典型的な悩みは、「定型的な勘定照合を毎回手作業でやらないといけない」「親会社と子会社間の債権・債務の内容の照合に時間がかかる」というものです。勘定照合については、ERPシステムからExcelにエクスポートしたデータを目視でチェックしていたものがBlackLine導入後は夜間の自動承認に変わります。また、決算時に集中する会社間取引の照合も、同じように目視で照合していたものが、BlackLine導入後は同じく夜間の自動マッチングに変わります。出社すると、BlackLineを確認して日中は課題の解決に集中できるようになります(図5)。

 また、製造業が2021年の収益認識基準の変更に即して、製品販売と保守サービスの売上を分けて計上する場合も、毎月の売上金額および残高を自動集計、総勘定元帳の残高との照合と自動承認までをシステム側で行ってくれますから、スピード感のあるビジネス対応を実現できるでしょう。

<p>図5:BlackLineで変わる経理部門の1日 出典:ブラックライン

図5:BlackLineで変わる経理部門の1日 出典:ブラックライン

――業務負荷の平準化ができることはよくわかりました。その前提となるプラットフォームを用いたデータの一元化について確認したいのですが、ERPはSAP S/4HANAが前提となるのでしょうか。

 SAPとの密接なパートナーシップがありますが、BlackLineは、SAP S/4HANAだけでなく、多岐にわたる会計システムを補完するソシューションです。オンプレミスのERPでもBlackLineは導入できます。ただし、クラウドのERPの方がより変化への対応力は高いでしょう。

 そもそも決算業務プロセスには、ERPの中でできるものとできないものがあります。プロセス全体にデジタルでできるものとマニュアル作業が混ざっていると、マニュアル作業のところでスピードは遅くなってしまいますから、今できていない作業は自動化する必要があります。ERPでできない部分を補完するのがBlackLineです(図6)。

<p>図6:ERPの機能を補完するBlackLine 出典:ブラックライン

図6:ERPの機能を補完するBlackLine 出典:ブラックライン

なぜBlackLineはSAPを補完できるのか?

――SAPユーザーは2025年までにSAP S/4HANAへの移行を進める計画があると思いますが、それとは別にBlackLine導入を進めていいのでしょうか。

 ERPの良いところはモノとカネの動きを同期できることにありますが、給与、銀行データ、POSデータ、クレジットカードデータなど、外部のシステムとの「照合(Reconciliation)」が必要なデータがあり、誤差が発生していないかを確認する作業が必要です。この作業はSAP S/4HANAを利用している場合でも、先に述べた親会社と子会社間の取引では不可欠ですし、親会社のERPがSAP S/4HANAでない場合はもっと複雑な処理が必要になります。

――確かに親会社はSAPでも子会社は別のERPを使っているケースがありますし、SAPユーザーと一口に言っても一部のモジュールだけを使っている場合などそれぞれの企業ごとに事情が違いますね。

 SAPのERPを使っている場合は、製品間の整合性が確保されているので照合の必要性はありません。また、SAP S/4HANAの場合は「ユニバーサルジャーナル」と呼ばれる一つの巨大なテーブルで総勘定元帳と補助元帳(財務会計(FI)や管理会計(CO)など)の統合を進める方向にあります。とは言え、外部のシステムデータとの照合は残るので、私たちのソリューションでは単に数値が合う照合のみではなく、監査に必要なすべてのデータを一元管理し、外部ソースのデータとSAPの残高データが完全かつ正しいことを保証する「実証(Substantiation)」を重視しています。

――BlackLineのソリューションがSAPのERPを補完する機能を提供しているとわかりました。

 コロナの話がなかったとしても、リモート決算にはコストメリットがあります。BlackLineとしては2021年3月期の本決算のリモート化に向けて夏から準備を進めることをお勧めしたいと考えています。まず第3四半期の決算でテストをして、そこで出た課題を監査法人ともすり合わせをしながら解決すれば、万全の態勢で本決算に臨めます。経理部門がよりビジネスに貢献できる組織になるようサポートをしていくつもりです。

ブラックライン主催:経理・財務向けDXイベント「BeyondTheBlack TOKYO 2020」

日時:2020年8月26日(水)13:00~17:35、27日(木)10:00~17:45 「Modern Accounting Experience ~リモート決算から始める企業変革~」をテーマにオンラインで開催(無料)くわしくはこちら

 



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著者プロフィール

  • 冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

     IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタントとして活動中。ビジネスとテクノロジーのギャップを埋めることに関心があり、現在はマーケティングテクノロジーを含む新興領域にフォーカスしている。

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