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世界3位のシェアを獲得するAlibaba Cloud――その競争力は価格と性能、シンプルさ

edited by DB Online   2020/08/03 11:00

 2020年4月のガートナーのレポートによれば、IaaS市場の売上高シェアで世界3位のポジションにあるのはAlibaba Cloud(アリババ クラウド)だ。そして日本でAlibaba Cloudのビジネスを展開しているのが、ソフトバンク株式会社とAlibaba Cloudを提供しているアリババグループの合弁会社として設立されたSBクラウドだ。

Alibaba Cloudは高い性能、機能のサービスを安価に提供する

 Alibaba Cloudは「日本、中国を含む、世界中の21のリージョンで63のアベイラビリティゾーンを運用しており、ボーダーレスでお客様のビジネス発展を支援します」と言うのは、SBクラウド技術部 部長のサール(El Hadji Bassirou Sarr)氏だ。

 Alibaba Cloudの優位性は何か、そして世界市場で先行するAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureと比べて何が違うのか。この問いに対し、サール氏は「グローバル展開を真の意味で実現できることです。Alibaba Cloudなら1つのアカウントで、中国を含むグローバルリージョンでサービスが利用できます。中国独自の法規制やルールから、他クラウドでは中国のみ別アカウントを必要とする場合がありますが、Alibaba Cloudは1つのアカウントで、中国を含むグローバルリージョンでサービスが利用できます」と答えた。

 サービスの優位性としては、IaaSにおけるコストパフォーマンスが高いことが挙げられる。ストレージIOやCPU性能などのベンチマークでも高い値を記録しており、それらをAlibaba Cloudでは低価格で提供する。その上で可用性も高く「SBクラウドでは2016年12月よりAlibaba Cloudの日本向けビジネスを展開していますが、これまでに大規模なシステム障害でサービスが止まるようなことは1度もありません」とも言う。

 Alibaba Cloudでは、使い勝手の向上にも力を入れている。たとえばKubernetesのマネージドサービスでは、全ての機能がコンソール画面から利用できるようにしている。クラウド上のコンソールにさえアクセスすれば、Kubernetesの管理が全て実現できるのだ。

 パブリッククラウドのサービスに、顧客がロックインされないのもAlibaba Cloudの特長だ。Alibaba Cloudでは、自社クラウドだけに固執したビジネス展開をしていない。顧客の望むものを提供しており、オンプレミスや他のクラウドの利用は否定しない。提供している各種ツールも、自社クラウド専用ではない。たとえばDDoS攻撃(Distributed Denial of Service attack)対策のツールは、Alibaba Cloudはもちろん他のクラウドやオンプレミスにも適用できるのだ。

 データ活用のためのサービスも豊富に揃えているのも特長だ。多様なデータベースサービスがあり、データ収集、データ分析の仕組みも提供する。その1つがLog Serviceだ。収集できるログはAlibaba Cloudのサービスはもちろん、他のクラウドもオンプレミスのシステムもソースに指定できる。簡単な分析はLog Service上で実現でき、Log Serviceだけでログ分析のスモールスタートが可能だ。さらにリアルタイムなログ分析などに拡張したければ、外部ツールなどとの連携も容易となっている。

 もう1つAlibaba Cloudが自信を持っているのが、AIの技術だ。広範なAIサービスを用意しており、それらはAPI化されておりすぐにアプリケーションなどに組み込める。顧客はAIの機能をゼロから開発する必要はない。小売業で評価の高い、商品画像の検索サービス「Image Search」もAPIで提供されており、自社のECサイトなどに簡単に組み込むことができる。拡張性の高い基盤が欲しいとき、その基盤にコストパフォーマンスを求めるとき、そしてAIを活用する安定したシステムを構築したいときにAlibaba Cloudは向いているとサール氏は言う。

SBクラウド技術部 部長 サール(El Hadji Bassirou Sarr)氏
SBクラウド技術部 部長 サール(El Hadji Bassirou Sarr)氏

 もう1つ顧客からAlibaba Cloudが評価されているのが、シンプルな料金体系だ。他のクラウドでは課金の単位はさまざまで、その仕組みも複雑だ。どのくらいの費用が発生するかを正確に見積もるのが難しいサービスもある。Alibaba Cloudは、基本的にリソースに対する従量課金となっている。

 たとえばKubernetesのマネージドサービスを利用する際も、マネージドサービス部分に対する課金はない。Kubernetesを動かす仮想サーバーのリソースやストレージのギガバイト辺りの利用に応じた課金が発生するだけだ。性能を得るためにストレージのIOPSを確保する費用が別途発生することもない。その上で「他のクラウドサービスよりも概ね10から20%安い価格設定となっています。1年2年と長期にわたりコミットしなくても、安価に利用できるのがAlibaba Cloudの特長です」とサール氏は説明する。

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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