ASP、アプライアンス、サーバ構築..どれがいいの?
企業や組織でメールを使いたいと思ったときに、それを実現する方法はいくつもあります。それぞれに、メリットやデメリットがありますが、どのような基準で選択すれば良いのでしょうか?
今回は、メールサービスを検討する上での注意点について紹介します。
サービスの選択基準
メールサービスの導入に当たって、検討しなければならない要素を考えてみると次のようになると思います。
費用
多くの企業にとって、メールサービスを実現するための費用は低ければ低いほど良いものです。製品を買うこともできますし、無償のサービスも存在します。
また、自分でサーバを作ることもできます。メールサービスを利用する人数によっても掛けられる費用は変わります。そして、コストと便利さやセキュリティとは、トレードオフであることを考慮しなければなりません。
ドメイン
組織でメールを使う場合には、ほとんどの組織が自分の組織の独自のドメイン名を利用したいと考えると思います。組織外のサービスを利用する場合には、独自のドメイン名を使うことができるかどうかには、注意して検討しなければなりません。
セキュリティ
メールで交換するデータに個人情報や組織の機密情報のような重要な内容が含まれていないかについては、十分に配慮する必要があります。組織外のサービスを利用する場合には、そのサービスの利用規約やサービスポリシーなどを十分に検討すべきです。
特に、メールが原因で情報が漏洩した場合には、外部のサービスを使っていると、原因を追跡することが困難です。さらに、もし海外のサービスを利用している場合には、日本の国内法では対応できません。
継続性
組織外のサービスを利用する場合には、そのサービスの継続性を考慮する必要があります。特別に契約などを結ばない限り、特定の企業が提供しているサービスが継続的に実施されることはまったく保証されていません。また、該当の企業が倒産したり破綻した場合には、契約も意味をなさない場合があります。
管理性
メールサービスは、通常のコンピュータシステムにありがちなハードウェアエラーやオペレーションミスなどの他に、インターネットからの攻撃、ウイルス、大量のSPAMメールの受信などにより、サービスが停止したり性能が劣化したりしやすいサービスです。
そのため、管理が面倒なサービスであると言えます。特に自前のサーバを持つ場合には、自分で管理できるものか、あるいは、問題が起きたときに何らかの援助が得られる見込みがあるかということも十分に考慮しなければなりません。
品質
メールはコミュニケーションの手段として当たり前になりつつあります。特に顧客との連絡にメールを使っている場合など、メールの重要性が高い場合には、そのサービスで保証される品質を確認しておく必要があります。
また、自前のサーバを作る場合には、障害などでサーバが停止する可能性を減らす努力を行わなければなりません。
可搬性
メールのデータの重要性が増してきていますので、メールサーバの耐用年数やメールサービスの提供期間が終了し、新しいサーバやサービスに移る場合のことを最初から考慮しておく必要があります。
メールのデータやユーザのデータが汎用的な方法で管理されていて取り出すことが可能であれば、比較的容易に別のサーバやサービスにデータを移行できます。データの可搬性は、将来のことを考えると非常に重要なテーマなのです。