「AI+顔認証+温度検知」ニーズが高まる理由
感染防止のための、入室時の体温チェックなどを推奨する会社も多いが、なかなかそうはいかないという会社も多い。出社が必要な社員にはマスクの着用や毎朝の検温の指示、来社時での体温によるスクリーニング、体調不良者の入館・出勤を防止するという対策がとられる。
企業にとって、こうした感染症対策を徹底することが、レピュテーションリスクを回避し、お客様や従業員に安心を与え、事業の継続・再開が可能になるからだ。
一般の店舗や商業施設の場合、来場時に検温をしてもらうケースもある。多くの場合ガンタイプの一点照射型の体温計やサーモグラフィーカメラを用いるケースもある。しかし会社の場合、体温測定には課題がある。まず、自己申告の場合、本当に検温してきたかは不明で、お客様、取引先に対して体温測定を依頼することは難しい。また、入館時に作業者が検温を実施するにしても、人員の確保も必要で作業者の感染リスクもある。作業者によるバラつきも生じ、行列による「密」な状況を生み出してしまう。
こうした背景から、最近注目されているのが、「AI温度検知ソリューション」だ。ソフトバンクグループが出資する、日本コンピュータビジョン(JCV)は、「顔認証」+「赤外線サーモグラフィ」を組み合わせたソリューションを提供する。
その技術の強みは、中国のSenseTime(商湯科技)社との提携による「AI顔認証技術」だ。同社のCEO アンドリュー・シュワベッカー氏(Andrew Schwabecher)は、シリコンバレーでクラウドコンピューティングの会社を設立し売却後、ソフトバンクで投資部門に関わる。日本での事業開発に携わる中、2018年に中国の顔認証技術のSenseTime社に出会い、JVCのCEOに就任した。