ルーブリックには、従来のツールにはない画期的な操作性があった
新たなデータ基盤においては、ビジネス継続のためのデータ保護が極めて重要だ。そしてデータ保護を考えた際に、真っ先に思い浮かぶのはバックアップだろう。確実にバックアップを取得しておくことで、万一の事態に備えることができる。
1992年の創業時からバックアップ、データ保護のビジネスに注力してきたのがノックスだ。「これまでにノックスでは、ありとあらゆるバックアップ、データ保護に関連する製品を扱ってきました」と言うのは、ノックス株式会社 営業本部 営業第1部 部長の小幡明広氏だ。
企業で利用するITシステムは増加、多様化している。それらのバックアップを確実に取得するのは、そう簡単ではない。多様なバックアップ作業を効率化するため、バックアップツールの進化も続いている。その中でも急激に進化した新しい製品として登場したのが、ルーブリックだったと小幡氏は振り返る。
それまでのバックアップツールは、バックアップに関するスキルや知識がなければ使いこなせないものがほとんどだった。バックアップは企業にとっては保険のようなもの。そのため、優秀なリソースをバックアップ業務に投入できる企業は少ないのが現実だ。
そういった状況がある中、「2016年頃に登場したルーブリックの製品は、バックアップに関するスキルや知識がそれほどなくてもバックアップを確実に行えるものでした」と小幡氏。20年以上にわたり様々なバックアップ製品を扱ってきたノックスにとっても、ルーブリックにはこれまでにはない洗練さを感じたと言う。
ルーブリックの製品が、他のバックアップ製品と最も大きく異なるのが操作性だ。トレーニングなどを受けなくても、すぐに利用できるメリットはかなり大きい。実際ルーブリックの製品には分厚いマニュアルは用意されていない。もちろん調べれば必要な情報を見つけることはできるが、とにかく触ってみればマニュアルが必要ないこともすぐにわかる。
「操作性が優れている点は最も衝撃的な部分でした。高度なスキルを持った人がいなくても、必要なバックアップやリストア作業がすぐにできるようになります」(小幡氏)。
従来型のツールでは、バックアップを取得するためにジョブを設定することになる。バックアップ対象のサーバーが増える度に、どのサーバーの何を、どのストレージにいつのタイミングで取得するかを設定し、ジョブの管理をしなければならない。数多くのバックアップジョブを適切に管理・運用するには、優秀なバックアップツールがあっても、かなりの手間がかかってしまう。
これに対しルーブリックは、使いやすいユーザーインターフェイスが用意されているだけでなく、どのシステムのバックアップを取得したいかを設定するだけで、やるべきことをルーブリックが自動で判別し適切な処理ができる。「ルーブリックでバックアップをとると決めれば、あとは自動でバックアップを取得してくれるイメージです」と小幡氏。手間のかかるバックアップジョブの管理作業を、ルーブリックなら大きく減らせるのだ。
この特長を生かし、ノックスでは2016年頃から、ジョブが増えバックアップの運用に課題を抱えているとされる先進的な大手企業を中心にルーブリックを提案してきた。そして、ルーブリックの使いやすさが評価され実績を積み上げていくことで、次第にルーブリックの認知度も高まり、採用企業が国内でも徐々に増えていったという。
たとえば国内大手エネルギー企業では、従来型のバックアップツールを活用しバックアップ作業を行っていた。ところがバックアップ対象のサーバー数が多すぎて、ジョブ管理がかなり複雑になっていた。そのため、新たにバックアップを取得したいサーバーが増えたとしても、バックアップを取得する時間が確保できない状況だった。
この企業では新たにルーブリックを導入し、バックアップの運用管理をルーブリックに任せることにした。その結果「これまでは時間枠が確保できなかったのに、ルーブリックが効率的なスケジューリングを実現したことで、さらにバックアップ対象を増やせる余裕が生まれたのです」と小幡氏はその効力を説明した。
ランサムウェアの攻撃からも確実にバックアップデータを守る
ルーブリックの普及が進んだ背景には、ランサムウェア攻撃が増えていることが影響している。2018年頃から世の中でランサムウェアによる攻撃が急増しており、実際に感染してしまい身代金を払わざる得なくなった企業も出ている。ランサムウェアの攻撃に対しては、バックアップデータを使うことで感染前の状態に戻して対処することがある。この時に必要となるのが、感染していない安全なバックアップデータだ。
昨今、ランサムウェアの攻撃は巧妙化しており、復旧のためのバックアップデータも併せて攻撃し暗号化することで、利用できなくするという手法もとられている。
「ルーブリックの場合はバックアップアプライアンスであることに加え、イミュータブルなファイルシステムになっているため、保護されているデータがランサムウェアに感染しないシステムになっています。ランサムウェア対策を念頭に置くと、ルーブリック以外の従来型バックアップツールは選びにくくなっていると思います」と小幡氏。ランサムウェア対策の機能が備わっていることは、自然災害などの事故に備えた保険として捉えられることが多いバックアップ機能単体の製品よりも、企業側で予算をつけやすい面もある。
さらにルーブリックのもう1つの特長が、クラウドデータマネジメントだ。AWSやMicrosoft Azureとの連係機能は、今やどのバックアップツールベンダーも搭載している。ルーブリックは、クラウドと連携して使うことを前提とした設計をしており、GUIも最初からそれを意識した作り込みがなされている。
「バックアップのツールには、1990年代から続く歴史の長い製品もあります。それらのツールが開発された頃は、当然ながらランサムウェアやクラウドもありませんでした。ルーブリックは新しいツールなので、最初からランサムウェアやクラウドなどの新しい要件に対応した設計になっています。新しい技術に対応する機能が後付けではなく、標準機能として組み込まれており、しかも誰でも簡単に使えるようになっているのです」(小幡氏)
ある製造業の企業では、ランサムウェア攻撃を受けシステムが利用できなくなってしまったことがある。このとき復旧しようとしても、すぐに使えるバックアップデータがなく、業務が数日間にわたり停止することになり大きな損害が出てしまった。この企業では、その後のITインフラ全体の見直しにおいて、ランサムウェアに対応できる仕組みであることが新たな要件となり、ルーブリックを採用することになったという。
また、ある大学では増え続けるデータの効率的な管理のために、ルーブリックのクラウドデータマネジメントの機能を利用し、アクセス頻度の低いデータをクラウドストレージに保存している。クラウドデータマネジメント機能は、ルーブリックのアプライアンスに標準で装備されている機能であり、追加でアプライアンスの容量を増やすことなく、効率的で安価に膨大なデータの保護を実現できた。
Rubrik Complete Editionで価格のハードルを下げる
このように従来製品に比べ高い操作性があり、その上でランサムウェア対策、クラウドデータマネジメント機能の標準搭載など多くの優位性があるルーブリックだが、弱点はないのだろうか。
「これまでルーブリックを提案する際に、残念ながらお断りされる理由で一番多いのが価格でした」と小幡氏は述べる。機能も豊富で操作性も高い点が評価されても、導入する際のコスト面で顧客と折り合いがつかないことがあるという。
ルーブリックは既に米国ではバックアップ、データ保護市場でリーダー企業であり、日本における認知度も上がっている。そのためノックスから提案するだけでなく、顧客からの引き合いも増えている。しかし商談が進むと、価格面から導入を躊躇するケースがある。
そこでノックスではルーブリック社とも協議し、2020年11月からキャンペーンを実施している。バックアップ対象容量が30テラバイト、および60テラバイトの「Rubrik Complete r6404/r6408」2機種を用いた「Rubrik Complete Edition」を、6,980,000円から提供しているのだ。
従来のバックアップシステムでは、バックアップツール、バックアップサーバー、バックアップディスクなど個々に準備が必要なことに比べても、「Rubrik Complete Edition」は非常にお得なキャンペーンモデルとして提供している。
これらを利用することで、中堅、中小企業でもルーブリックを導入しやすい価格で提案できるようになったという。確実なデータの保護、ランサムウェア対策などは、企業規模の大小に関わらず必要とされている。これらを、極力運用負荷を小さくして実現できるルーブリックは、価格のハードルさえ下がれば高いスキルを持つ運用管理技術者をなかなか確保できない中堅、中小企業にむしろ最適なソリューションと言えるだろう。
ノックスとしては、今回のキャンペーンも活用し、ルーブリックの市場を広げる提案を積極的に展開していく。「確実なバックアップ、ランサムウェア対策を実現するだけでなく、これからはルーブリックでデータを管理し、生かす提案もしていきます。今後は企業が利用しているあらゆるデータを保護するだけでなく、それらのデータを活用しながら、企業のデジタルトランスフォーメーションにつなげていきます」と小幡氏。
ノックスは顧客の状況をしっかりとヒアリングし、ルーブリックを含むいくつものソリューションから顧客の要望や将来性に合わせた提案をしていく。