Cloudflare(クラウドフレア)は、「Data Localization Suite」の提供開始を発表した。世界中のあらゆる場所で、ビジネスのデータ局所性、プライバシー、コンプライアンスのニーズに対応するために、自社データの保管場所とアクセスを制御することができるサービスとなる。この製品と新たなプライバシー保護プロトコルの発表にあたり、12月7日に同社の最高技術責任者ジョン・グラハム=カミング氏と日本代表の青葉雅和氏が会見をおこなった。
データを保管する国、場所を選択できる「Data Localization Suite」を提供
現在、世界中の多くの国がデータアクセス、保護、プライバシーに取り組むために新たな基準や規制を導入していることから、その結果、企業はリージョンごとにデータ制御の評価と設定をおこなう必要がある。
これまで、データのローカライズを望む企業は、データセンターを1ヵ所またはクラウドプロバイダーの1リージョンに限定しなければならないことが多く、その結果、パフォーマンスまたはセキュリティに支障をきたしていた。Data Localization Suite機能は、Cloudflareのグローバルネットワークによってパフォーマンスおよびセキュリティ上のメリットをもたらすと同時に、エッジで自社データを保管および保護する場所のルール化や制御設定を簡単にするという。

Cloudflare 最高技術責任者 ジョン・グラハム=カミング氏は、このソリューションが同社のプライバシーの保護の考え方にもとづくものとして、以下のように語った。
「インターネットは本来、プライバシーを考慮して設計されていません。Cloudflareは全ての製品、グローバルネットワーク、ビジネスにプライバシーとコンプライアンスを組み込んできました。Cloudflareは、インターネットをデフォルト設定でよりプライベートなものにすることを支援するテクノロジー、機能、アプローチを提案しています」
またアプリケーションの開発においても、以下の点が重要になるとカミング氏は述べる。1)どこで開発のコードやデータを暗号化し、どこで復号化するかの国を指定できること、2)そのアプリケーションを使用、実行できる国を特定できること、3)使用する国のローカルルールに準拠したデータの保管ができること、などだ。

John Graham-Cumming, Chief Technology Officer(ジョン・グラハム=カミング、最高技術責任者)
新たなプライバシー保護プロトコル
また同社は、12月7日におこなわれた製品アナウンスの会見において、新たなプライバシー保護プロトコルを発表した。2014年以来、暗号化の導入促進を支援するため、Universal SSLの無料提供をおこなってきたが、それを継承し推進させるために以下の取組みをおこなうという。
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Oblivious DNS over HTTPS の提供開始。 Apple および Fastly との共同設計による新プロトコル。Cloudflare のパートナーであるEquinix、PCCW Global、SURFの協力のもと提供を開始。
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産業パートナーおよび規格団体パートナーと連携し、ECHをはじめとする基礎的なプライバシープロトコルを促進。
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OPAQUEのような パスワード不要認証プロトコルなど、開発最先端のテクノロジーを継続的に探求。

Cloudflare日本代表の青葉雅和氏は、次のように述べる。「日本企業が、日本および世界中で成長していくためには、データの局所性、プライバシー、コンプライアンスのニーズに対応するためのより優れたツールを用意することが重要。今回のローンチにより、日本のお客様に、グローバルなセキュリティとパフォーマンスを損なうことなく、地域のデータを決定できる柔軟性を提供していきたい」

クラウドフレア・ジャパン株式会社 日本代表 青葉雅和氏
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京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)
ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail : k...
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