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富士通 CMO山本氏が語る「本気のDX」:お客様の本当の声を聞くことから

富士通 山本多絵子×クアルトリクス 熊代悟 会見レポート


「富士通はDXで遅れているのではないか?」という懸念があった

 今回の富士通のVOICEプログラムの実施にあたっては、2つのチャレンジがあったという。ひとつは、従来の「顧客満足度調査」(CS)からの調査のコンセプトの転換だ。今回の調査ではCXを計測する方法として、「NPS 顧客プロモータースコア」を採用した。

 NPSを採用することについては、社内でも議論があった。しかし「お客様中心の経営のためには、NPSを活用することが必要だった」と山本氏は語る。

 それまでの満足度の調査では富士通の顧客からの評価や信頼度は非常に高い結果が出ていた。「富士通は逃げない」「最後まで面倒を見てくれる」「信頼と安心感がある」といった評価だ。しかし、前職で日本IBM、日本マイクロソフトの執行役員を経た山本氏は、別の印象を持っていた。

「前職の外資系企業の時に聞こえてきたのは、DXで富士通は乗り遅れているのではないかという声でした」(山本氏)

 現状の業務について富士通への信頼は厚いものの、DXへの期待度は高くないのではないか。従来型のシステムに対しては富士通はしっかりやってくれるが、新しいDXのプロジェクトは他の企業と組みたいという企業が多いのではないかという危惧があった。

 そのため「満足しているかではなく、推薦できるかと聞くことが必要だ」と山本氏は社内を説得したという。そして、10月26日から3週間でこのNPS調査を30か国の重点顧客と見込み顧客に対して調査を行った。

全世界の顧客の声を「同じ指標」で集めること

 もうひとつのチャレンジは、各国、各地域で行われていた独自の調査の手法を捨て、全世界共通の調査内容にしたことだ。それまで日本、ヨーロッパとオセアニア、北米などで各リージョンの条件にあった調査の手法を採用していたが、今回これらを一本化した。そのため「各リージョンできちんとした仕組みもあるのに、なぜ忙しくさせるのか」という反発も生じた。

 これについても山本氏はこれまでの外資系での経験があり迷いはなかった。日本の支社の立場から、本社に改善の要望を伝えても本社はなかなか動かない。現地での改善は可能でも、グローバルな経営の改革には到達しないという壁があった。

 「現場レベルだけではなく、経営レベルに組み込む必要がある」という確信があったという。そして、世界の6リージョンと国内を合わせ17名のCXリーダーを、各部門の役員が斡旋する形でアサインした。

 CXリーダーはそれぞれの担当する顧客を熟知し。調査方法についてマーケティング部門にフィードバックする非常に重要な役割を担ったという。

「世界中の各リージョンによって、文化の違い、お客様との関係の深さや富士通のブランドへの認知の違いがあります。こうした様々な違いを踏まえながら、一つの指標で見ていくためには、各リーダーのCXへの理解とフィードバックが必要でした」

 具体的には、営業組織から経営層までを巻き込んだ定期ミーティングを実施し、「VOICE」からの課題や洞察をCXリーダーを通じて、CEOをオーナーとするCXステアリングボードに提言。CEOより社内関連部門へ改善・改革を指示、継続することで、NPSスコア改善を目指すというクローズドループを回した。

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見えてきたお客様の「本音」と「期待」

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この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

翔泳社 メディア事業部。同志社大学卒業後、人材採用PR会社に就職後1994年から翔泳社に参加。以後、翔泳社の各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在は、嘱託社員の立場でEnterpriseZineをメインに取材・編集・書籍などのコンテンツ制作に携わる。 趣味:アコギ、映画...

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