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アドビに訊く3rdパーティークッキー制限対応と「Personalization 2.0」

edited by DB Online   2021/03/08 08:00

3rdパーティークッキーが使えない中でどのようなアプローチができるか

 Platformレイヤーでは、データの収集やID管理、さらにAIや機械学習などアプリケーションに共通の機能を提供する。ここで重要な機能が、プロファイル統合だ。さまざまなチャネルで使われるIDを繋げ、1つのプロファイルとして把握可能とする。チャネルが違っても1人として認識し対応することが重要であり、Experience Platformが複数の識別子をリアルタイムに統合しタッチポイント横断の接触履歴を紐付け管理できる。

 「顧客体験のためにプロファイルをどう管理しなければならないかを、Experience Data Modelという新しいスキーマを開発し、それに基づきデータ管理をしています」と安西氏。属性とID項目、行動情報の時系列データとID項目などを結び付ける。さらに属性や行動などからセグメントを作り、どのセグメントに当てはまるかも管理できる。これらで顧客体験のための1つのプロフィールを作り上げ、それをリアルタイムで管理しコミュニケーションに繋げられるところが、他とは違うExperience Platformが次世代のCDPである所以だ。

 もう1つPersonalization 2.0で重要なのがデータガバナンスだ。データ項目ごとに顧客に関する情報をどこまで利用できるかを定義し管理できなければならない。そのためにAdobe Experience Platformでは、Data Usage Labeling & Enforcementフレームワークを利用し、データ項目ごとにラベリング、ポリシー設定を行い管理できる。データの利用にそぐわないことがあれば警告が出るなどが可能となる。

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 さらにAdobe Experience Platform Launch Server Sideは、最も新しい機能だ。さまざまなデバイスやツールなどからデータを集めるデータコレクションの前半部分で利用される機能で、Adobe Experience Platformのオプションとなる。Platform Edge Networkにデータを集約することで、Adobe Experience PlatformやAnalytics CloudなどのAdobeのサービスにスイッチ1つでデータを連携させられる。今回さらにAdobe以外のソリューションとも連携できるようになった。これにより3rdパーティークッキーを使わないようになっても、他の3rdパーティーソリューションと提携したマーケティング・コミュニケーションなどが実現できる。Personalization 2.0ではこういった機能を使い3rdパーティークッキーがなくても、3rdパーティーのソリューションを活用していくこととなる。

 現状、Personalization 2.0は、BtoCがメインのターゲットとなるだろう。とはいえ、BtoBでも3rdパーティークッキーが制限される状況には変わりはない。コロナ禍で、BtoBのコミュニケーションもオンラインにシフトしている。その中では「個を大事にしながら企業ともコミュニケーションすることになります。フレームとしてPersonalization 2.0を利用し、個人、そして後ろにある企業としっかりとコミュニケーションをとることになります」と安西氏。Adobeのロードマップでも、BtoBへの対応が始まっている。コロナ禍の影響で、マーケティングの世界の変化も加速している。それをいち早く捉えて、今回のPersonalization 2.0のようなアプローチができるか。鍵は、データの活用であることは間違いなさそうだ。



著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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