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キヤノンのMRシステム「MREAL」最新機種は、製造業のプロセスを変える

キヤノンITソリューションズ


 MR(複合現実)のテクノロジーがビジネスの世界にも浸透してきた。特に有望な分野が製造業のプロセス管理の分野への適応だ。キヤノンが発表したMRシステム「MREAL」(エムリアル)の最新小型機種MREAL S1はカメラから取り込んだ前方の映像に三次元CGを合成する「ビデオシースルー方式」を採用し、リアルの中にバーチャル物体を表示する。この技術は製造業の生産ラインを大きく変える可能性がある。

拡大するxR市場の中でのMR(複合現実)とは

 近年、製造業や建築、教育といった分野で、「xR技術」が注目されている。xR技術とは現実世界(Real)と仮想世界 (Virtual)を融合する技術であり、AR(Augmented Reality:拡張現実)やVR(Virtual Reality:仮想現実)、そしてMR(Mixed Reality:複合現実)がそれにあたる。

 xR技術を利用すれば、現実の製品に仮想製品のイメージを重ね合わせたり、仮想製品を3次元で可視化したりすることが可能だ。特に、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、実際に現場に行ったり、一カ所に集まって製品を確認したりすることが困難になっている現在では、xR技術に対する需要が高まっている。

 デロイト トーマツ ミック経済研究所が2020年12月に刊行した「ビジネス向けxRソリューション市場の現状と展望2020年度版」によると、2019年度のビジネス向けxRソリューション市場は、全体で140億円だった。2020年度における同市場の成長率は、前年比37.1%増の192億円で、2023年度まで年平均成長率45.8%で推移すると予測されている。なお、2023年度の市場規模は632億円に達する見込みだという。[※1]

 ただし、一口にxRといってもAR、VR、MRでその特性や利用用途は異なる。たとえば、VRはゲームやバーチャルコンサートといったエンターテインメント業界では普及しているものの、製造現場ではモックアップの確認などの利用に留まっているのが大半だ。現在は「現実には何ができるのか」を模索している段階であり、具体的な活用は「今後の伸びしろに期待」という側面が大きい。

 そのような状況で製造現場での活用が期待されているのがMRである。MRとは現実映像とCG(コンピュータグラフィックス)をリアルタイムに融合するものだ。キヤノンITソリューションズ エンジニアリングソリューション事業部でシニアエキスパートセールスを務める竹中哲也氏は、「AR、VR、MRは利用するデバイスの技術方式で実現できることに差異がある。各方式で一長一短があり、利用目的を明確にしたうえで最適な方式を選定することが重要だ」と説明する。

  キヤノンITソリューションズ エンジニアリングソリューション事業部 エンジニアリングソリューション営業本部 第二営業部シニアエキスパートセールスの竹中哲也氏
キヤノンITソリューションズ エンジニアリングソリューション事業部 エンジニアリングソリューション営業本部 第二営業部シニアエキスパートセールスの竹中哲也氏
[※1]https://mic-r.co.jp/mr/01940/

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キヤノンの最新MRシステム「MREAL S1」はビデオシースルー方式

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この記事の著者

鈴木恭子(スズキキョウコ)

ITジャーナリスト。
週刊誌記者などを経て、2001年IDGジャパンに入社しWindows Server World、Computerworldを担当。2013年6月にITジャーナリストとして独立した。主な専門分野はIoTとセキュリティ。当面の目標はOWSイベントで泳ぐこと。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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