増え続ける情報漏えいの被害
情報漏えいの被害は引き続き増加傾向にある。特に個人情報漏えいの発生件数は右肩上がりで、2021年8月の時点で既に2020年の合計を超えている。「この数字はニュースとして報道され、漏えいした情報が1,000件以上のものだけです。漏えい件数が1,000件以下のものも含めたら、被害件数はさらに多くなるでしょう」と渡辺氏は指摘する。
情報漏えいの種類は様々で、大きく分類すると「技術的な脅威」「物理的な脅威」「人的脅威」での発生が多くあげられるという。技術的な脅威は、マルウェアや外部からのサイバー攻撃、ウェブサイトの脆弱性などを原因とするもので、日々攻撃が行われており、新たな手法も続々と登場している。今回はこの技術的な脅威にフォーカスし、その対策における適正な費用について紹介した。
はじめに渡辺氏は、「6,505件」という数字を示した。この数字は、警視庁が保持するシステムが検知した1IPアドレス当たりの1日の不正アクセスの件数である。ウェブサイトやウェブサーバーは、日々気づかないうちに世界中からたくさんの攻撃を受けていることがわかる。この数字も年々増加傾向にあり、被害に遭うリスクも増えているなど、その対策が急務かつ非常に重要になっているという。