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富士通 柴崎辰彦の「一番わかりやすいDX講義」

カシオ計算機 大熊氏に聞く:DXは楽譜のない音楽づくり

第14回【DX実践研究編】デジタル変革に向けたカシオの挑戦(後編)

 富士通で初めてのデジタル部門の創設やサービス開発に取り組んで来た著者の実践に基づくDX連載の第14回。著者は、富士通 デジタルビジネス推進室エグゼクティブディレクターの柴崎辰彦氏。今回から、シリーズの第3部となる「実践研究編」として、実際にデジタル変革に取り組む企業の取り組みをプロジェクトリーダーのインタビューを通してご紹介する。トップバッターは、先ごろ新たなサービス「MY G-SHOCK」発表したカシオ計算機株式会社のデジタル統轄部情報開発部長の大熊眞次郎氏にお話をお伺いした。

 前回(デジタル変革に向けたカシオの挑戦【前編】ユーザー中心のバリューチェーンを構築する)では、カシオ計算機の事業とIT部門のトランスフォームについて紹介してきた。連載の後編である今回は、デジタルビジネスの取り組んできた背景と具体的な内容を掘り下げ、それらを可能としたさまざまな取り組みについて詳説する。

企画段階からIT部門が参加する必要性(DX前夜)

カシオ計算機株式会社デジタル統轄部情報開発部長大熊眞次郎氏
カシオ計算機株式会社デジタル統轄部情報開発部長大熊眞次郎氏

 海外の営業部門からIT部門に転じ、事業におけるITの重要性を感じていた情報開発部長の大熊眞次郎氏は、「モノだけを売るバリューチェーンだけでなく、顧客へのサービスレイヤーが重要となると感じていた」と語ります。ちょうど、大熊氏がイメージするバリューチェーンを早稲田大学の根来教授(ビジネスモデルやDXについて研究)の著書で発見します(『IoT時代の競争分析フレームワーク』根来龍之・浜屋敏編著)。

 「これまでの製造業における作った製品を押し出すバリューチェーンではなく(ものづくり)、コトづくりの付加価値として想像したユーザー像と提供価値をサービスレイヤーごとに検討する必要があることに気がつきました。これからのビジネスモデルではバリューチェーンの企画段階からIT部門が参画することが重要だと考え、積極的に参加して来ました。具体的な取り組みとしては、時計のIoT基盤、ユーザーID管理基盤などの共通プラットフォーム、モノづくり基盤のプラットフォームなどがあげられます。」(大熊氏)

図1 これからのビジネスモデル[クリックして拡大]

 IT部門が、積極的に企画段階から事業計画に参加することで言われたことをただ単にしっかりと実行する守りのIT部門から、積極的に事業に関与する攻めのIT部門に成長していきます。2017年当時すでに時計のIoT基盤としてスマートフォンとの連携を介し、インターネットにつながる「CASIO CONNECTED」を支えた取り組みはその成果と言えます。当時からユーザー中心の発想を持ち、製品のモジュールIDやシリアル番号をキーに製品の使用ログをサービス部門でのお客様対応、事業部門における分析等に活用することができました。事業とITがより一体となった取り組みとして、今回発表した「MY G-SHOCK」にも繋がっていく貢献感を掴むことが出来た取り組みでした。

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ユーザー起点の新たなサービスの誕生

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この記事の著者

柴崎 辰彦(シバサキタツヒコ)

香川大学客員教授 富士通株式会社にてネットワーク、マーケティング、システムエンジニア、コンサル等、様々な部門にて“社線変更”を経験。富士通で初めてのデジタル部門の創設やサービス開発に取り組む。CRMビジネスの経験を踏まえ、サービスサイエンスの研究と検証を実践中。コミュニケーション創発サイト「あしたの...

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