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週刊DBオンライン 谷川耕一

Oracle三澤社長が語る「ミッションクリティカルのモダナイズ戦略」とは

 OracleがパブリッククラウドのOracle Cloudそのものを顧客のデータセンターで利用できるようにする「Oracle Dedicated Region Cloud@Customer」を発表したのは2020年の7月。その際、いち早く採用を決めたのが野村総合研究所(NRI)だ。NRIが金融機関向けに提供する投資信託窓販向けソリューション「BESTWAY」を、これで動かすことを明らかにした。そして1年後の2021年7月から、NRIのデータセンター内に導入されたOracle Dedicated Region Cloud@Customer上でBESTWAYは稼働を開始した。

ミッションクリティカルシステムのクラウド化のための技術は揃った

日本オラクル株式会社 取締役 執行役 社長 三澤智光氏

 「世界でも最大規模の金融機関向けミッションクリティカルサービスが、いよいよOracle Cloudでカットオーバーしました。私が知る限り、ピュアクラウドのアーキテクチャで、ここまでのミッションクリティカルかつ大規模な仕組みが日本でカットオーバーを迎えた事例はありません」と、日本オラクル株式会社 取締役 執行役 社長の三澤智光氏は言う。これは極めてエポックメイキングなことであり、ここからミッションクリティカルなシステムのクラウド化が本格的に加速すると予測する。

 多くの企業において、クラウドの利用はごく当たり前となった。新たなシステムを構築するならば、企業はプラットフォームの選択肢としてまずはクラウドを考える。また、既存のオンプレミスのシステムが更改時期を迎えれば、次なるプラットフォームとしてクラウドを検討するのも当たり前だ。

 一方で、なかなかクラウド化が進まないシステムもある。その代表がミッションクリティカルな止められないシステムだろう。Oracle Databaseの環境をReal Application Clustersなどを用い高可用性化しているようなシステムは、クラウド化に伴い改修するところが増え、簡単にはクラウド化できないのが現状だ。

 もちろん先進的にクラウド化に取り組む企業では、基幹系システムのクラウド移行を実現している。ミッションクリティカルシステムで求められてきた高い可用性構成やバックアップの仕組み、高いレスポンス性能の実現などの非機能要件を、クラウド独自のサービスや機能を組み合わせ実現している。あるいはクラウド移行を機に、クラウドの特性に合わせ運用管理のやり方や要件に変更し、ビジネスに影響が出ない形で基幹系システムを運用できるようにしている場合もある。

 つまり、既にミッションクリティカルなシステムを動かすための技術自体は、クラウドサービス上に揃いつつある。それらを使い、旧くてデータ活用などが難しいアーキテクチャのミッションクリティカルなシステムをモダナイズする。この考え方自体は「かなりポピュラーになってきたと」と三澤氏は指摘する。一方で旧いミッションクリティカルシステムは全て書き換えるべきだとの、急進的な考え方もある。たとえばコンテナ技術を用い、マイクロサービス化するなどだ。

 しかしミッションクリティカルシステムは、人、もの、金の複雑な動きを集中処理する特性を持ったワークフローとなっており、それらを全てマイクロサービス化し分散させるのは容易ではない。たとえば1つのデータベースで基幹系システムの複雑な多くのワークフローが動くシステムを、1000個のマイクロサービスに分解するとなれば、データベースの整合性はどのようにとっていけばいいのか。「正直に言うと、マイクロサービスやコンテナで今のミッションクリティカルシステムを瞬時に書き換えるのは、現実的ではありません」と三澤氏は言う。

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@CustomerはOracle Cloudならではのクラウドサービス

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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