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RFPに書くべき要求をどのようにとりまとめるか

第4回

第2回で目次と背景について考え、第3回には手続き上のことを整理してきました。今回は、いよいよRFPの核心ともいえる、「要求」について考えてみましょう。

RFPの要求ってどのように書けばよいの?

 第2回で目次と背景について考え、第3回には手続き上のことを整理してきました。今回は、いよいよRFPの核心ともいえる、「要求」について考えてみましょう。

 なお、今回は、ごく一般的な要求の取りまとめ方を示します。社内で手続きが確立されている場合などについては考慮していませんのでご了解ください。そうは言っても、一般的な方法を改善のヒントとして使っていただくことはできると思います。

既存システムの情報をどう提示するべきか

 まずは、既存システムに関する情報提示の仕方を説明します。既存システムと全く関連なく、ゼロから新規にシステムを構築する機会は、最近それほど多くないからです。

 さて、既存システムが存在する場合に、絶対にやるべきでないことを挙げておきましょう。それは、RFPに次の文言を書くことです。

   既存システムと同等の機能を実現すること

 これから提案を望むという人が、こんな要求を出してはいけません。これでは、提案する側も対応のしようがありません。

理不尽な要求は受注側に不信感を抱かせる原因にもなる
理不尽な要求は受注側に不信感を抱かせる原因にもなる

 特に、ハードウェアのリプレイスを前提としたシステムリニューアルの場合に、こうした要求が出やすいものです。既存のシステム開発業者がいて、その業者に発注することが既定路線として決まっているケースと考えられます。当て馬にされる業者はたまったものではありませんね。

提供すべき付属資料

 では、既存システムに関わる提案を新しい業者から受けたいと本気で考えている場合にはどのようにすれば良いでしょうか? このような場合、最低でも付属資料として、次のものを用意するとよいでしょう。

提供すべき資料
  • 既存画面のハードコピーと一覧表
  • 既存帳票のサンプルと一覧表

 最低でもこの2つを用意し、インプットとアウトプットを業者にイメージさせることが大切です。一覧表の量でシステムの大きさも大枠で分かりますし、画面等を見ることでどの程度の難しいのかについても想像がつくでしょう。

可能な限り明確に既存システムのイメージを伝える
可能な限り明確に既存システムのイメージを伝える

 新規開発の場合も、提供すべき資料は基本的に同じです。ただし、提案を受ける時点で画面や帳票の詳細が決まっていることはまれです。最低限の準備として、欲しい画面や帳票のリストを作り、それぞれアウトプットがどんな風に使われるものかをまとめておきましょう。ただし、重要と思われる画面については簡単なイメージがあった方が良いでしょう。

次のページ
新しい要求をどうやって集めるか

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この記事の著者

佐川 博樹(サガワ ヒロキ)

 中小企業診断士。大手電機メーカの生産管理システム企画構築、関連会社のシステムコンサルティング、メディア企業向けセールスエンジニアを経て独立。現在は、中小零細企業向けのシステム導入コンサルティング、ネット活用、各種経営支援を行っている。中小企業診断協会 東京支部 城南支会 常任理事、NPO法人東京城南中小企業診断士会 常任理事。
著者のホームページ

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