デロイト トーマツ グループは4月4日、アンケート調査をもとに、企業の間接機能の効率性を分析した調査レポートを発表した。
間接機能の比率は前回比で減少する一方、情報システム機能の比率は高まる
今回の調査では、企業における間接機能の従業員比率が参加企業全体の中位値で10.5%となり、前回調査より1.2ポイント減少。加えて、総人件費(全社員の人件費の合計)に対する間接機能従事者の人件費と業務委託費を合わせた工数コスト効率が、前回調査より1.6ポイント減(前回調査14.5%→今回調査12.9%)だったという。間接機能のコスト削減が進んでいることがうかがえるとしている。
間接機能の中では、人事や財務経理機能における一人あたり正社員数[※1]は、全企業中位値でそれぞれ63.3人、62.5人で、過去調査と比較しても大きな増減はなかったという。一方、情報システム機能における一人あたり正社員数は78.8人となり、前回調査(85.3人)と比較して情報システム機能の重要度が高まっているという。
新卒・中途採用は減少するも、シニア雇用の取り組みが徐々に進む
過去4回の調査において上昇傾向にあった新卒採用者や中途採用者の割合は、今回調査ではいずれも減少(それぞれ前回3.1%→今回2.8%、前回2.1%→今回1.4%)した。
一方、正社員の定年年齢を65歳と回答した企業の割合(前回6.6%→今回9.9%)や再雇用者の契約更新限度年齢を70歳以上と回答した企業の割合(前回6.1%→今回7.2%)がいずれも上昇しており、シニア活用・定年延長等の取り組みが徐々に進んできているとしている。
調査概要
- 調査形式:Webアンケート方式
- 調査対象年度:直近決算期(2021年度)
- 調査時期:2021年7月28日~2021年9月30日
- 参加企業数:180社
- 参加企業属性:売上規模(単体売上高)1000億円以上は82社、従業員規模(正社員数)が1000人以上は102社
[※1] 一人あたり正社員数:「正社員数÷当該機能に従事する正社員数」で算出される値
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