4月から施行開始、新個人情報保護法の改正ポイント
2022年4月から施行開始となった新しい個人情報保護法は、3年ごとの見直し規定に則し、国際動向や技術動向を踏まえた改正内容を反映したものだ。国際動向としては、2018年5月から適用になった欧州のGDPR、2020年1月から施行の米国カリフォルニア州のCCPAがある。背景にある消費者のプライバシー保護を強化する動きに、他国も続々と追随しているところだ。特にわかりやすい例が、サードパーティーCookieの排除である。AppleやGoogleがその廃止の方向性を示したことから、高度なマーケティング施策を展開してきた企業ほど、ターゲティング広告やコンテンツのパーソナライゼーションを行うための代替手段の確立を急がねばならなくなった。
一方で、規制強化一辺倒ではないデータ活用を促すための意図も改正内容に盛り込まれている。AI、機械学習を駆使したデータ分析では、質の高いデータを大量に必要とするものだ。例えば、製薬会社の創薬業務であれば、究極の個人情報とも呼ぶべきゲノム情報を扱うこともある。個人情報だからといって、闇雲に利用を禁止しては、社会が得られるはずの利益が失われてしまう。旧法でもプライバシー保護とデータ活用のバランスを模索する方向にあったが、今回の改正でもその方針が維持された。
個人情報保護委員会は、今回の改正ポイントを以下の8点で説明している。特に、7番の「個人関連情報」と8番の「仮名加工情報」が新法でより明確になった個人情報に該当する。
- 漏えい等報告・本人通知の義務化
- 外国にある第三者への提供
- 保有個人データの開示方法
- 個人データの利用の停止・消去等の請求
- 公表等事項の充実
- 不適正利用の禁止
- 個人関連情報
- 仮名加工情報