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KDDI、アパレル業界の余剰在庫削減のため「XRマネキン」を開発 Google Cloudと協力

 KDDIは5月18日、Google Cloudの「Immersive Stream for XR」を活用し、アパレル販売向けの高精細な「XRマネキン」を開発したと発表。両社は同日、メディア説明会を行った。

 はじめに、KDDI パーソナル事業本部 サービス統括本部 5G・XRサービス企画開発部長 上月勝博氏がサービス概要を説明。同社がアパレルDXに取り組む背景として、1年半ほど前にアパレル業界から中途入社した社員による、業界特有の課題を解決したいという思いに感化されたことを挙げた。国内のアパレル産業は、30年間で市場規模が2/3程度になった一方で、商品の供給量は2倍近くになり、余剰在庫が発生しているのだという。

 そこで同社は、アパレル業界のサンプルや在庫ロスの解消を促すものとして、XRマネキンを開発。XRマネキンでは、クラウド上でレンダリングするGoogleCloudの「Immersive Stream for XR」と、 KDDIの5Gなどを使うことで、映像をストリーミング配信する。それにより、高精細かつ360度の立体的な商品イメージの閲覧を可能にしているという。同社は、同ソリューションを店頭で表示し、購入はECサイトに誘導するなどして、店頭在庫を減らすことができるとしている。

 続いて、グーグル・クラウド・ジャパン カスタマーエンジニアリング 技術本部長の佐藤聖規氏が「Immersive Stream for XR」の概要を説明した。従来、バーチャル映像を高精細に表現をするにはデバイスの性能に依存していたというが、同ソリューションはクラウドを活用しているため、デバイス性能は問わないという。店舗に設置されているデジタルサイネージなどの大型ディスプレイから、スマートフォンでも閲覧できるとしている。専用アプリのインストールは不要で、ウェブブラウザやGoogleアプリで利用できる広い互換性も強調した。

デモンストレーションの様子
デモンストレーションの様子

 また、KDDIはXRマネキンにおけるモデルの表現方法として次の2つを挙げている。一つは、アパレル業界向けCADソフトで製作した「デジタル型紙」を使った3DCG。もう一つは、実際に商品を着用した人間の動きを3Dスキャン撮影してデジタル化するもの。前者は製品がなくてもできるのに対して、後者は製品を使うことでよりリアルな再現ができることが特徴だという。

 同社は現在、アパレル業界10社ほどに製品導入を打診中だとしており、年内のサービス開始を目指しているとしている。

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この記事の著者

小山 奨太(編集部)(コヤマ ショウタ)

EnterpriseZine編集部所属。製造小売業の情報システム部門で運用保守、DX推進などを経験。

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