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北川裕康のエンタープライズIT意見帳

迫りくるIT業界の人材危機。英語力ランキング78位で大丈夫なのか?

 未来を予測するなら、まずは人口の推移の予想を見よ、という鉄則があります。ご存知の通り、日本は少子化による人口減、それに伴う超高齢化社会を迎えています。総務省が発表した2021年10月1日時点の人口推計によると、外国人を含む総人口は20年10月と比べて、64万4,000人の減少の1億2,550万2,000人。統計を取り始めた1950年以来、減少率は最大となりました。64万人減少って大変なこと。これがIT業界に及ぼす影響は少なくありません。

 就業者数は6,658万人で、前年同月に比べ35万人の減少です。連結従業員数において日本で一番大きい会社のトヨタ自動車の社員数が、34万2,872人ですから、まるまるその数が消えているのです。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html

この先どうなる?人口減とIT業界

 人口減ではあるものの情報通信業をみますと、就業者数は252万人で、幸い8万人が前年比で増えています。このように情報通信業の就業者数は増えてはいるのですが、デジタル化の波で需要は増える一方で、その需要に配給が間に合っていないのが実態だと思います。その傾向は、人口予測を見る限り、続きます。

 EnterpriseZineの最近の記事「7割以上の企業でIT人材不足 IPAが調査結果を発表」では、「事業会社における、必要なIT人材の量」は「大幅に不足している」「やや不足している」の割合が73.5%で、昨年度(88.2%)より低下したが依然として高い水準だ」という状態です。

 経済産業省が平成28年6月に公表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査」によれば、IT需要が今後拡大する一方で、我が国の労働人口(特に若年人口)は減少が見込まれ、IT人材の需要と供給の差(需給ギャップ)は、需要が供給を上回り、2030年には、最大で約79万人に拡大する可能性があると試算されています。この79万人が衝撃の数字として、未だによく使われています。

 私が新人で1987年に富士通に入社したときも、SE不足が叫ばれていましたので、実は長年の課題なのだと思います。こんな中、富士通は、昔のIBMのように、大胆な人の入れ替え作戦を敢行しているそうですが、補充できる人材が確保できるのでしょうかね。お手並み拝見です。

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好調な外資系IT会社にも迫りくる人材と市場のリスク

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北川裕康(キタガワヒロヤス)

35年以上にわたり B2BのITビジネスにかかわり、マイクロソフト、シスコシステムズ、SAS Institute、Workday、Inforなどのグローバル企業で、マーケティング、戦略&オペレーションなどで執行役員などの要職を歴任。現職は、クラウドERPベンダーのIFSでマーケティングディレクター。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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