オンプレミスで実績あるバックアップ・DRがクラウドでも利用できる
Oracle Cloudにおけるバックアップ・DRの方法は主に3つある。まず「RMAN(Recovery Manager)」を使ったバックアップの取得だ。Webコンソールでスケジュール実行や遠隔バックアップなどの実施が簡単にでき、リストアも容易だという。また、中身はRMANのため、従来のOracle Database管理の知識やノウハウを生かした運用も可能となっている。
さらに、冗長化には「Oracle RAC(Real Applications Cluster)」や「Oracle Data Guard」が利用できる。これらは、長年オンプレミスで実績があり、Oracle RACについては他のクラウドではサポートされておらず“Oracle Cloudでのみ利用できる”点も忘れてはいけない。加えて、Oracle Data GuardはWebコンソールから簡単に構築でき、有効化やフェイルオーバーなどの操作も簡単だ。
可用性に関してはデータベースだけでなく、IaaSで動くWebサーバーやアプリケーションサーバーも一緒にシステム全体で考える必要があるとも原田氏は指摘。大規模災害に備えることを考えるならば、東京・大阪リージョン間のネットワーク構成なども十分に検討する必要があるという。
Oracle Cloudに限らず、どのクラウドでも片方のリージョンが使えなくなれば、もう一方のリージョンにワークロードが集中するため、リソースの確保も考慮する必要がある。たとえば、Active-StandbyではなくActive-Activeで常にリソースを確保したり、容量予約機能を利用したりすることも有効だ。
また、セミナーの中で紹介された事例では、お客様のデータセンター内にクラウド環境を設置するExadata Cloud@Customerと“OCI上のExadata Cloud”のハイブリッド構成で、Oracle Data Guardを用いてDRを実現している。通常時はOCIの構成は最小にして効率化し、有事の際にはクラウドの柔軟性を使い無停止でスケールアップし対処。「OCIのバックアップ・DRは非常に良いサービスなので、是非採用を検討してほしい」と原田氏は言う。
「セキュリティ」「モニタリング」「バックアップ・DR」のいずれもが、Oracle Cloudのサービスを利用すれば簡単かつ、すぐに始められる。とはいえ、これらを使えば100点満点の運用となるわけではない。簡単に80点は取れるが「100点にするには、他のサービスやソリューションの検討も必要です。そのためのサービスもOracle Cloudには用意されているので、自社に合った方法を工夫したり、困ったらアシストに相談してほしい」と原田氏はアドバイスを送り、セミナーを締めくくった。
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