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日本IBM、「DB2 Star Festival 2009」でDB2 9.7を徹底解説

PL/SQLとの互換性を実装した「DB2 9.7」

DB2 Star Festival 2009
DB2 Star Festival 2009

 2009年7月7日、ウェスティンホテル東京にて「DB2 Star Festival 2009」(主催:日本IBM)が開催された。「DB2 Star Festival 2009」は、DB2専門のイベントで、ビジネス・セッションとテクニカル・セッションの2つのトラックが用意されている。

 基調講演では、日本アイ・ビー・エムのソフトウェア事業部インフォメーション・マネジメント事業部 理事 事業部長 下垣典弘氏と米IBM DB2チームのエバンジェリストのポール・ジコポウロス氏が登壇。IBMの新しいデータベース戦略とDB2 9.7がもたらす変革について訴えた。

 「大変感動を覚えている」。会場に集まった聴衆を前に、下垣氏はその喜びを「去年まではDB管理者やプログラマーなどデータベースに関わる方々を対象とした比較的小規模のセミナーだったが、今回は1,300名を越えるお客様にお集りいただくことができた。コスト削減という新しい切り口からこのような会を開けることを大変嬉しく思う」と説明した。

日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業部 インフォメーション・マネジメント事業部 理事
事業部長 下垣典弘氏
日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業部 インフォメーション・マネジメント事業部 理事 事業部長 下垣典弘氏
 

 「市場はすでに飽和状態になっている」という言葉のとおり、データ爆発が叫ばれる一方で、データベースの売上自体はそれほど増えていない。IBMの提供する「DB2」の市場シェアは、オラクル、マイクロソフトに次いで第3位。しかし、その支持は着実に広がっているという。

 「2006年から2008年の3年間で言えば、市場成長率が0.2%という厳しい環境の中、われわれは10%を大きく超える成長を達成した。今回のDB2 9.7でさらにシェアを拡大したい」と下垣氏はその実績に自信を見せる。

 新しくリリースされたDB2 9.7がもつ特徴の中でも、最も注目を浴びているのが「Oracle Databaseとの互換性」である。従来、データベース・ソフトウェアの変更に着手しようとした場合に、ベンダー間における互換性の不足が大きな壁となっていた。自社のシステム要員が複数のデータベース・ソフトウェアに精通しているのであれば問題は無いが、実際にはそうでない場合も多い。

 データベースはシステムの中核となる重要な部分であるため、企業としてはリスクに対しては非常に敏感になる。結果として、変更によるメリットを理解しながらも、実施については二の足を踏むケースが多くなるわけだ。

 しかし、DB2がPL/SQLとの互換性を実装したことによって、このような状況にも変化が訪れそうだ。従来、Oracle Databaseを利用していた企業が乗り換えを行う場合、システム担当者は新たにスキルを習得する必要は無い。

 使い慣れた「PL/SQL」を駆使しながら、DB2が提供するコスト削減などのメリットを享受できる。データベースを変更するための現実的な道筋が示されれば、企業側もコストや機能といった客観的な評価に基づいて動き出せるという仕掛けである。

 同製品では、互換性の提供以外にも機能面でさまざまな機能強化がなされているようだ。下垣氏は「ホスト向けのDB2が出てから25年、分散系でも動くものがリリースされて15年経過した。その間、2002年にはオートノミック(自律型)機能の実装、2006年にはXMLによる非構造化データへの対応など、さまざまな技術を取り入れてきた。もちろん、価格もチャーミングなものにしているが、本日のイベントを通してテクノロジー面でも共感してもらいたい」と訴える。

 DB2に対して絶対的な自信を見せる一方で、ユーザがソフトウェアを変更することに対して抱く心理的な障壁にも理解を示す。このような「マインドバリア」を壊していくため、2009年後半から2010年の前半にかけて『常識を疑え』キャンペーンを展開していく予定だという。

 「高機能、ハイパフォーマンスなデータベース環境を低コストで利用できる。多くの人々が利用するOracle Databaseとの互換性も実現した。あとは、会場にいらっしゃる皆さんの意識だけだと考えている。ともに手を取りあって、長期、短期のロードマップを作れることを楽しみにしている」と語りセッションを締めくくった。

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DB2はコスト削減の解決策

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