日本IBMは8月25日、「2022年データ侵害のコストに関する調査レポート」の日本語版エグゼクティブ・サマリーを公開した。
調査では、データ侵害にかかるコストがこれまでになく高くなり、大きな影響を与えていることが明らかになったという。調査対象の組織における1回のデータ侵害にかかる世界平均コストは435万ドルで、過去最高に。データ侵害コストは過去2年間で13%近く増加しており、調査結果では、これらのデータ侵害インシデントが商品やサービスのコスト上昇にもつながっている可能性を示唆している。実際、インフレやサプライチェーンの問題を背景に、世界的に商品コストが上昇している時においても、調査対象組織の60%は、データ侵害を要因として製品またはサービスの価格を引き上げたという。
また、同レポートでは、調査対象組織の83%がこれまでに1回以上のデータ侵害を経験していることが判明。時間の経過とともに生じる別の要因が、これらの組織におけるデータ侵害の後遺症であるという。データ侵害コストの約50%がデータ侵害から1年以上経ってから発生していることから、この後遺症は長期にわたって影響を与えているとしている。
なお、「2022年データ侵害のコストに関する調査レポート」は、IBM Securityの委託により、米調査会社Ponemon Instituteが調査を実施したもので、2021年3月から2022年3月の間に世界の550の組織が経験した実際のデータ侵害に対する分析に基づいているという。
同レポートの主な調査結果は以下の通り。
- 重要インフラにおけるゼロトラスト導入の遅れ
- 身代金の支払いは効果的ではない
- クラウドにおけるセキュリティーが未熟
- セキュリティーにおけるAIと自動化の活用で、数百万ドルのコスト削減を実現
【関連記事】
・日本IBMとTagetik Japan、DX加速に向け「CCH Tagetik」のリセラー契約を締結
・ハイブリッドクラウドとAIの需要により全世界で成長【IBM 2022年度第2四半期の連結決算】
・日本IBM、既存の基幹システムをデジタル世界に融合する「次世代のITアーキテクチャー」を発表