KDDIエボルバとKDDI、および日立は量子コンピューティング関連技術を活用し、auのメッセージサポート業務を担うコンタクトセンターのスタッフの勤務シフトを自動作成し、実勤務へ適用する実証を行ったと発表した。
この実証により、管理者がシフト作成にかける時間を5割超短縮できることを確認したという。さらに、実際の勤務への適用後に実施した調査では、9割以上のスタッフが勤務シフトの自動作成に肯定的な回答をし、3社は2023年度以降の実用化を目指すとしている。
勤務シフトの作成は、スタッフの契約条件や勤務希望・スキル要件などの勤務条件、時間帯ごとの必要人員数の調整など、複雑な条件を満たす必要があり多くの時間を要する。
コンタクトセンターを中心とする事業を展開するKDDIエボルバでは、約100名のスタッフの勤務シフト作成において、熟練した管理者でも11時間以上を要していたという。
それだけでなく、 一般的な勤務シフト作成ツールでは必要人員数の調整は可能な一方で勤務条件を十分に満たすことができず、修正作業やスタッフとの調整を含めると20時間近くを要していたとのこと。また、特定スタッフの勤務時間帯に偏りが出るシフトが生成され、不公平感からスタッフの理解が得られないといった課題もあったという。
今回の実証では、量子関連技術によってKDDIエボルバの約100名のスタッフ1ヵ月分の勤務シフトを作成したところ、勤務条件に関するデータの準備やスタッフとの最終調整も含め約5時間で作成することが可能になったという。さらに、実証ではシフト作成にかかる工数削減だけではなく、特定スタッフに偏りの出ない勤務シフト作成も可能となったとのこと。
今回の実証を受け3社は、シフト作成業務の負荷軽減とスタッフの業務効率改善に向け、量子コンピューティング関連技術を使った勤務シフト作成の実導入を目指していくとしている。
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