買収後の「One Salesforce」
──Ryanさんが現職に就くまではSalesforceにいたと聞いています。Tableauに来た背景やCROとしてのミッションについて教えてください。
2006年にM&A担当としてSalesforceに入社しました。その後、Tableauに入社するまでいろいろな仕事をしてきましたが、Salesforce時代の最後はCEO直下でChief Business Officerでした。2019年のSalesforceによる統合を経て、TableauでChief Revenue Officeを務めることになりました。今は、私個人の目標でもあり、Salesforceの目標でもある「いかにSalesforceとTableauを緊密に連携させてお客様に提供するか」の実現に向けて活動しています。
戦略的に重視していることは大きく3つあります。1つは「One Salesforce」の推進です。Salesforceが行う買収では、常にこの「One Salesforce」を掲げた統合の実現を意識してきました。それがお客様、パートナー、従業員にとって最も良い結果につながると信じているからです。Tableauの場合も例外ではありません。TableauにはDataFamというユーザーコミュニティが存在する一方で、SalesforceにもTrailblazerというコミュニティがあります。コミュニティ同士の統合計画が具体化しているわけではありませんが、2つが合わさることで新しい知恵が加わり、One Salesforceとしての使い方が洗練されていくことになると考えています。
2つ目がTableauをオンプレミス環境で利用中のお客様のクラウド移行を促すこと、そして3つ目がSalesforceの様々なアセットとの連携を進めることです。この連携の対象には、Salesforce CDP、Collaborative Analytics、Service Analytics、そしてSlackを含みます。さらにSalesforce Einsteinとの連携も進めたいですね。TableauをSalesforce Customer 360のアセットと一緒に使ってもらうことで、お客様のCXをさらに向上させられると考えています。
──Tableauを採用した企業は全てこの統合戦略の恩恵を受けるわけですよね。
はい。昨今の経済状況やパンデミックの影響で、組織におけるデータの重要性は高まるばかりです。日本のお客様の中にもクラウドへの移行を進める例が出てきました。例えばNTTドコモは、全社での活用を視野にTableau Cloudに移行中です。元々はオンプレミス環境でTableauを利用していました。現在、2025年までのデータドリブン人材5,000名の創出を目指されています。私たちが掲げるデータドリブンカルチャーに共感し、広範囲でTableauを使っていたただいており、クラウドへの移行によりコスト並びにオペレーション工数の削減を期待されています。NTTドコモグループは収益の過半をスマートライフと法人事業で創出することを目指し、ビジネスを進化させています。これからの事業収益性向上にTableauとしても貢献するつもりです。