「既存DWHの課題はSnowflakeで解消できる」ノバセル CTO戸辺氏を熱くさせる魅力とは
データドリブンな意思決定を目指し Snowflakeで生産性の改善とサイロ化の解消を実現

ノバセルは、成長と効率化を同時に実現する運用型テレビCMサービス「ノバセル」を提供している。これまで不明瞭だったテレビCMの効果を可視化し、デジタル広告のように運用することを可能にするものだ。同社CTOの戸辺淳一郎氏は、2022年「Snowflake Data Drivers Awards」を受賞。同社にジョインして「データドリブンな意思決定」を明確に打ち出し、Snowflakeの導入と運用をリードしてきた人物だ。今回は、選定の決め手や効果について戸辺氏に訊いた。
データドリブンな意思決定のためクラウド型DWH導入を検討
戸辺氏がノバセルに入社したのは、テレビCMの効果測定を可能にする「ノバセルアナリティクス」がリリースされてから半年ほど経った2020年9月のことだった。当時のノバセルでは、データに基づいた意思決定をしていく雰囲気は醸成されていたものの、データ利活用に関する指針が何も定まっていない、言わば曖昧な状況であった。これに対して戸辺氏は「私は完全に振り切ったほうがよいと考え、『データドリブンな意思決定をしていく』と明確に打ち出しました」と語る。
当時のノバセルのデータ基盤は、トランザクション処理や分析処理を一つのリレーショナルデータベースで対処していた。分析処理に関しては社内分析だけでなく、社外ユーザーにプロダクトとして解放していたこともあり、双方に悪影響を及ぼし合う可能性があったという。「ユーザー様にパフォーマンスの悪いサービスを提供する恐れがありましたし、何より自分たちがやりたいことを実現できるだけの基盤が整っていませんでした」と戸辺氏。そこで手始めに、クラウド型のデータウェアハウス(DWH)導入検討を始めた。
戸辺氏はこの取り組みについて、前職時代の経験を振り返る。前職でもDWHを利用していたが、エンジニアリングの知識や製品そのものの知識が必要になるという課題に直面していたという。ただクエリを発行したいだけの利用者にとって負荷が高すぎたのだ。その後、他社製品への移行も検討したが、既に作り込まれてしまっている状態だったため移行は困難を極めた。

2019年の冬ごろ、戸辺氏は海外にいた知人から気になる話を聞く。「『Snowflake』というクラウド型DWHがあり、大手クラウドベンダーからのリプレイスが進んでいる」というのだ。実際に戸辺氏もSnowflakeを見てみたところ、即座に良い感触を得ることができたと振り返る。しかしながら、当時は前述した状況を鑑みて採用には至らず、それ以来Snowflakeのことを気にかけていたという。
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森 英信(モリ ヒデノブ)
就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...
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