DB2 9.7の一番の目玉「Oracle Database」との互換性の実力はいかに?本稿では、「DB2 Star Festival 2009」の中から、山川多美氏の講演「登場 DB2 9.7 −PL/SQLサポートで移行が容易に」の概要をお伝えする。
かなり高いOracle Databaseとの互換性
今回のDB2 V9.7でもっとも注目されている拡張は、OracleのストアードプロシージャPL/SQLが、そのままDB2でも動くというものだろう。これについて、実際にベータプログラムのなかで検証した結果が報告された。
DB2用のストアードプロシージャであるSQL PLをコンパイルするDB2コンパイラーに加え、今回新たにPL/SQLコンパイラーが追加された。「エミュレータではないので、2段階に負荷がかかることもありません」。

日本アイ・ビー・エム SWテクニカルセールス&サービス ベータプログラム推進 コンサルティングITスペシャリストの山川多美氏は、レジストリ変数などを利用して、コンパイラーの選択を含めた互換モードを容易に使い分けられると説明する。
コンパイラーだけでなく、OracleのSQL*Plusと同様な対話式インターフェースのCLPPlusも追加されている。今回の拡張では、PL/SQLのサポート内容はかなり広範囲に亘るとのこと。たとえば、ビルトイン・パッケージ・サポートや、一部の互換性のないデータディクショナリについてもビューという形で対応し、データ・タイプの暗黙的なキャストもサポートされている。
現段階ですべてのPL/SQLのプログラムが、手を加えずにそのままDB2の上で動くというわけではない。2008年夏から、世界中でV9.7のベータプログラムが実施されており、そのなかで多くの企業がOracleからの移行テストを行っている。
それらの結果を見ても「かなり動くと実感している」と山川氏。動かないポイントはほぼ共通しているので、実際に移行する際にはどうすればよいか明らかになってきているとのことだ。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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