2022年10月6日、SAS Institute Japanは「実用的なビジネス価値創出に向けたデータ活用」をテーマに掲げた説明会を実施し、AIプロジェクトの課題と今後に向けたクラウドアナリティクス戦略を語った。

同社 ソリューション統括本部 金融デジタルソリューション統括部 統括部長 羽根俊宏氏
同社 ソリューション統括本部 アナリティクスプラットフォーム統括部 統括部長 小林泉氏
SASが提供する3つの新ソリューション
最初に登壇した森氏が紹介したSASのクラウドアナリティクス戦略の重点領域は、「SAS Answers Cloud」「DXスターターパック」「SAS Viya on Microsoft Azure Marketplace」の3つである。この内、最初の2つがエンタープライズ向けソリューションで、それぞれ特定の業種や業務のAIプロジェクトを支援するもの、スモールスタートで価値を確かめてから本格的にAIプロジェクトに着手したい企業を支援するものになっている。残るSAS Viya on Microsoft Azure Marketplaceは、企業が直接SASのサービスを利用できるよう新しく提供するものだ(図1)。

ソリューションの中核にあるのはSAS Viyaである。この製品はデータ探索からモデル開発、モデル登録、デプロイ、アクションに至るアナリティクスのライフサイクル全体をカバーしており、データの準備、モデルの実装、ビジネスにおけるマネタイズなど、個々の企業が抱える課題に応じたサポートを必要に応じて提供している。AIプロジェクトにはモデル開発に携わるデータサイエンティストから、データエンジニア、アプリケーション開発者、ビジネスユーザーに至るまで、様々な人たちが参加する。それぞれがより快適に仕事ができるよう、複数の選択肢を提供するのがSASの基本姿勢である。例えば、クラウドとオンプレミス、クラウドの場合でもマネージドサービス環境(ホステッド/リモート)とSaaSの3つの中から適切なものを選ぶことができる。
「クラウドファースト」と言われるように、企業が製品を直接利用するクラウドは当たり前の選択肢になったが、SASは企業のビジネス部門に直接ソフトウェアを提供すると同時に、コンサルティングサービスを提供してきた。多くのプロジェクトを通して得られた知見をAIとデータアナリティクスの仕組みと合わせて提供するのがSAS Answers Cloudである。金融サービス業向けのものからその提供を開始する。
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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)
IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...
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