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10年目を迎えた「SFUG CUP」にはSalesforce活用のナレッジとヒントがあふれていた

SFUG CUP 2022 全国活用チャンピオン大会決勝戦レポート


 Salesforceユーザーが活用事例を共有したいという声からうまれた「Salesforce全国活用チャンピオン大会」、通称「SFUG CUP」。9月14日、第10回の今年は中小企業部門と大企業部門の2部構成にバージョンアップされ、幅広い活用事例が集まった。その内容をお届けする。

選ばれたファイナリスト8社

 予選には過去最高の48社がエントリー。「技術・定着化・業務改善」を評価基準に選出された下期の8社のファイナリストが出揃い、熱いプレゼンを繰り広げた。

【中小企業部門】

  • 優勝: WOW WORKS株式会社
  • 準優勝:株式会社みどり財産コンサルタンツ
  • ファイナリスト:株式会社ビジネス・ブレークスルー、株式会社Parasol

【大企業部門】

  • 優勝:株式会社日本M&Aセンター
  • 準優勝:株式会社カインズ
  • ファイナリスト:株式会社マツシマホールディングス、株式会社オンワードパーソナルスタイル

【中小企業部門優勝】WOW WORKS

WOW WORKS株式会社 経営企画部 末木 勇介氏
WOW WORKS株式会社 経営企画部 末木 勇介氏

 WOW WORKSは、無線機等のレンタル事業において、案件や在庫の一元管理を目指してSalesforceを活用。RFID連携によりスプレッドシートでは不可能だった「正しい在庫管理」を実現し、在庫回転率の大幅な向上を達成。ITが苦手な社員でも入力しやすい設計や会計システムとの連携などの働き方改革を推進している。

 Salesforceを導入したのは、設立から約2年半後の2018年6月。それまでスプレッドシートで管理を行っていたが、「同じ情報を何度も入力」「一つひとつの作業に時間がかかる」「ケアレスミスが多い」「依頼ごとに数える在庫管理」「売上や在庫を会議の度に集計」「顧客情報はベテランの記憶頼り」「高い離職率」などの問題は山積みだった。

 解決のための管理業務のデジタル化は急務だったが、当時社内にシステムに強い人間もおらず、「顧客管理システム CRMとは」の検索から始めた。そこでSalesforceの存在を知り、社内検討会や他社システムとの比較検討を経て導入を決めた。ベンダーに依頼する余裕はなく、Salesforceの学習サービス「Trailhead」や無料の勉強会に参加して、基本を学び、自前で取引先や商談といった基礎となるオブジェクトの構築からスタートしたという。

ゼロから実現できた4つの「カイゼン」

 導入から構築を進めて、課題解決に向けての取り組みを始める。Salesforceで実現した「カイゼン」は以下の4つだ。

  1. 同じ情報入力は、一度だけ:依頼発生時に、案件管理、見積書、請求書などの大量のスプレッドシートをSalesforceに統合しfreeeと連携することで、リアルタイムの入金管理まで一元化。
  2. 案件・在庫・貸出状況の一元管理:手作業の「打診表」をSalesforce化。RFIDによって、コンテナ内の機材を一瞬で読み込み、作業時間は従来の1/10ほどに短縮。在庫管理が一気通貫されたことで、在庫回転率が41%から73%、人件費率は35%から23%と大幅な改善に成功。
  3. 営業の効率化と分析:活動履歴をストレスなく入力するために、入力シートを「MashMatrix」で準備し、Excelライクな見た目で抵抗感をなくし、活動履歴も一覧化。架電数が一日40件が70件へ向上。
  4. フローとRPAを利用した自動化

 さらに、Salesforceが定着するにつれて、さまざまな要望が出てきた。

  •  より簡単な見積書作成:画面フローの機能で、取引先責任者、納品日、返却日を選択。機種、台数、オプション品を入力して作成できるようにした。依頼から見積書送付までを20分から5分弱に短縮。

  •  資料請求対応:取引先責任者の画面にアクションボタンを設定しフローを実行することで、資料を送信できる。Pardotとの連携で、開封や相談等、その後のアクションを確認し、営業に活用。

  •  納品場所に応じた出荷日デッドの表示:いつ出荷すれば納品日に間に合うかが「出荷日のデッド」だが、郵便番号ごとの配送マスターを用意し、オブジェクトを作成。納品日の設定で、出荷日のデッドが自動に表示される。

  •  発送伝票を自動作成:出荷予定の案件一覧からCSVをエクスポートし、運送会社の伝票作成ツールにアップロードして印刷ボタンを押す。これをRPAによって実行させることで、必要に応じて出荷する伝票が印刷される。

 アイデア次第で簡単に自動化できるところがSalesforceのメリットだという。今後はCRMアナリティクスを利用した季節需要の予測やSlackと組み合わせることで、さらなる効率化を目指したいと末木氏は展望を語る。「必要なのは本気と情熱。あきらめず情熱を持って、Salesforceを社員と受け入れ続けてきた結果だと思っています。これからも無限の可能性を秘めたSalesforceを本気と情熱を持って、まだまだ使い倒して行きたい」と力強くプレゼンを締めた。

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【大企業部門優勝】:日本M&Aセンター

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この記事の著者

山本信行(ヤマモトノブユキ)

株式会社Little Wing代表

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